介護報酬引き下げで「狙い撃ち」される社会福祉法人 現場は一体どうなるのか

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3年ごとに見直され、来年4月がその改訂期。

ご存じのとおり、介護報酬改定についてのニュースが業界で飛び交っています。

・「介護報酬」2.27%引き下げへ 引き下げは9年ぶり(FNN)(※元記事削除済み)
・介護報酬2.27%下げで決着(産経新聞)(※元記事削除済み)
・介護報酬2.27%引き下げで決着 予算案最終折衝(朝日新聞デジタル)(※元記事削除済み)

年度費用が約10兆円にのぼり、介護報酬を1%引き下げると、年間で1000億円もの介護関連費用を節減できます。
介護報酬の引き下げは、高齢化による介護費用を抑えることが目的ですが、マイナス改定の背景には「社会福祉法人」の問題もあるようです。

社会福祉法人の問題

以前にこのようなニュースがありました…

特別養護老人ホームや保育園などを多く運営する社会福祉法人(社福)を理事長が勝手に売り、多くの利益を得る例が相次いでいる。本来は福祉のための「非営利団体」で、個人が売買してはいけない。背景には、介護保険からの報酬や補助金をねらって社福を私物化する動きがある。

(中略)

「社福は介護報酬などの収入があり、財産がたまる。施設建設には補助金が出て、税金もかからない。買い手は多い」

出典:「社会福祉法人の売買横行 理事長私物化、数億円で取引も(朝日新聞デジタル)」(※元記事削除済み)

こちらの記事では、社会福祉法人の不適切な運営について問題提起しています。

特養の高い収支差率を見て、「介護報酬が高すぎるからだ。もっと切り下げられる。切り下げても介護職員の給与は上げられる」と財務省が主張し始めた。事業会社の売上高経常利益率の平均は5%程度。一般の中小企業の利益率は2~3%、2013年度は2.2%である。特養の8.7%をこの水準まで落とせるとして、厚労省に介護報酬の6%削減を求めてきた。

 介護保険の総費用10兆円のうち2割も占めるのが特養。それだけに特養の経営実態が介護報酬を左右しかねない。

(中略)

多くの法人は理事長の専横が目立ち、親族が理事に名を連ねる同族運営が罷り通っている。「とうちゃんが理事長。かあちゃんが施設長、息子が相談員」と揶揄されるところも少なくない。零細農家並みの私物化体質だ。成功した企業家が、土地を代々まで残しておくために、寄付をして社福を設立し、その理事長に居座るケースも多い。

出典:内部留保は総額2兆円、非課税で高収支差率を維持 20世紀の負の遺産「社会福祉法人」の罪と罰(ダイヤモンド・オンライン)

また、財務省は、社会福祉法人が蓄えている巨額の内部留保の問題を提起し、「内部留保が蓄積しない水準まで下げるべき」と特養の報酬減を強く求めていました。

<参考>
特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設の財務状況 – 財務省

さらに、不当に高額な役員報酬を得ている例もあるとして、厚労省は社会福祉法人の理事など役員の報酬について公表することを義務付けるよう法改正を目指されているようです。

反対派の意見

このように、今回の介護報酬引き下げには社会福祉法人への問題視が根幹にありましたが、そんななか、介護報酬引き下げについての意見がありました。

社会福祉法人の中には、実態がブラック企業と化しているもの、公的側面が強いのにも拘らず私物化されているものなど、改善や指導が必要な法人はたくさんありますが、そのいぽうで(編集部注:「一方で」の誤記と思われます)懸命に地域との共生を模索し、医療連携にも取り組んで地域の核となっている法人もたくさんあります。
実際、非営利だからこそ、真面目に取り組めば取り組むほど利益が減っていくという「隘路」に悩まされている法人が多いのです。

出典:介護報酬引き下げに見る社会福祉法人の隘路(ハフィントンポスト)

現場はどうなるのか

介護報酬は引き下げられますが、介護職員の賃金はアップするよう改善する方針が立てられています。

 人手不足の解消に向けて、政府は11日、介護職員の賃金を月額1万2000円程度増やせるよう処遇改善策を拡充することを決めました。

出典:介護報酬引き下げ決定、「人手不足に」と不安の声(JNN)(※元記事削除済み)

今回の改正により、現場はどうなるのでしょうか。
さきほどの記事では、最後はこのように締めくくられていました。

介護の仕事は、きつい、汚いといったイメージをもたれがちですが、山崎さんは決してそうではないといいます。

 「やっぱりこの仕事って人間と人間が関われる仕事だと思うので、すごくやりがいもあるし、楽しい仕事だと思うので、長くは続けていきたいですけど、これから先どうなるのかは、まだ分からないですね」(介護福祉士 山崎遼平さん)

出典:介護報酬引き下げ決定、「人手不足に」と不安の声(JNN)(※元記事削除済み)

ぜひ、みなさんの声を聞かせてください。

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