「副業禁止」の職場が多いのはなぜ?

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副業とは、正社員として勤めている仕事のほかに行っている仕事のことを指します。
セラピストの給与が頭打ちになっている昨今、副業によって所得を増やそうとする動きも盛んになってきているのではないでしょうか。
参考:理学療法士の給料は「もらう」から「稼ぎ出す」時代になった
しかし職場によっては「副業禁止」を定めているところもありますし、禁止はしていなくともあまり望ましくない、という雰囲気の職場も多く存在します。

なぜ副業は禁止されているのか?その理由を考えてみましょう。

法律的にはセーフ

副業 禁止 なぜ
職場によりけりではあるものの、副業は「禁止」もしくは「あまり望ましくない」ものとして見られていますよね。当然のように認識されている風潮ですから、民法なり労働基準法なりで制限されているのか……と思ってしまう人もいるのではないでしょうか。

実は、法律の観点で言えば副業は何の問題もありません。民法にも労働基準法にも、「2つ以上の会社と雇用契約を結ぶ」「会社員と自営業を兼業する」ことについての規制は存在しないのです。

社員に課せられているのは、会社との雇用契約で定められた勤務時間の中でしっかり働くこと。定時を過ぎた後の時間は社員のプライベートですから、何をしようと自由です。むしろ社員の私生活について会社が介入し、その行動を制限することの方が問題となります。

なぜ副業は禁止されているのか?

副業 禁止 なぜ
法律上の問題がないということは、その職場の就業規則が副業を禁止していることになります。
なぜそのような決まりが設けられているのか。その理由は多々ありますが、もっともわかりやすいのが、「兼業禁止限定の合理性」と呼ばれるものです。
「兼業禁止限定の合理性」は、会社と社員が副業の関係で裁判をして示された基準。会社が副業を制限しても差し支えない基準であり、副業を禁止するもっともわかりやすいケースとなります。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「(47)【服務規律・懲戒制度等】兼業・二重就職」(2017年7月28日)

その項目から、禁止される理由をまとめてみましょう。

副業によって遅刻・欠勤が増えた

本業に支障が出るほど長時間・重労働の副業をしている場合、副業を禁止される可能性が高くなります。
疲労感からデスクワーク中に居眠りをしてしまったり、寝坊して遅刻が増えてしまったり……本業がおろそかになってしまうのは望ましくないですよね。

会社の利益が損なわれる

本業と副業が競合関係になってしまう場合は、副業を禁止される可能性が高まります。
会社は自社の利益を第一に考えたいわけですから、社員とライバル関係になることは望ましくありません。
同じ業種の副業で稼ぐなら、「本業の会社の売り上げに貢献してよ!」と思うのは、経営者サイドからすれば当然のことですよね。

会社固有の情報が漏洩される

副業を通じて社外の人と関わったときに、会社の内部情報などをうっかり話してしまうこともあるかもしれません。独自の研修のお話であったり人事のお話であったり、何気なく口外してしまう可能性はゼロではありません。情報漏洩が会社の不利益に繋がることもあり得ますので、その際には副業を禁止されても仕方がないでしょう。

副業によって会社の品位を落とすおそれがある

マルチ商材を扱っていたり、反社会的勢力と接点を持ったりするような副業は避けるべきです。
たとえばあなたの副業が詐欺にあたるとして、逮捕されてしまったとします。その際、所属する本業の会社名や病院名を公表されたら、イメージはかなり悪くなってしまいますよね。本業の勤め先には、患者さんの足が遠のき、利益の面でも被害を受けるかも知れません。

また逮捕とまではいかなくても、あなたが「会社の名前や名刺を使って」副業をしていた場合、トラブルが生じればそれだけ本業の勤め先に迷惑がかかります。

会社が就業規則で「副業禁止」もしくは非推奨を掲げているのは、主に上記のような理由からだと考えるのが妥当でしょう。法律上は拘束できないとしても、本業の不利益になるような副業は禁止せざるを得ないわけですね。

副業のメリット・デメリット

副業 禁止 なぜ
給与のことを思えば、副業をしてでも稼ぎたいのが本音ですよね。しかし会社からあまり望まれていないものを始めることは、なかなか勇気がいります。
セラピストの副業にどのようなメリット・デメリットがあるか、いま一度整理してみましょう。副業を始めるかどうか、参考にしてみてくださいね。

メリット

収入源が増える
「安定」を求めてセラピストを目指すのはもう難しい時代です。特に病院勤務のセラピストは、どんどん飽和して市場価値が低くなってきています。いつまでも安定した給与をもらえるとも限りません。
その点、副業をしていれば収入源が増えますよね。万が一、本業の給料がカットされたり、本業である勤め先の業績が悪化したり……といった憂き目にあったとしても、収入源が複数あれば安心です。
人脈・知識が増える
副業で取り扱うものによっては、それに必要な知識をつけるための勉強をしなくてはいけません。そうすれば、本業とはまた別の知識を得ることができるでしょう。
また、副業を通じて病院外の人と出会うのもよい経験になるはず。人との出会いはお金に代えられるものではありませんから、広まった人脈は大切にしたいですね。
ビジネス経営の感覚がつかめる
副業の内容によっては、自分で情報を調べて解釈し、うまくいく方法を考えるといった経営者の感覚を養えることがあります。自分でビジネスを行っている感覚がつかめると、ただ本業で上層部から与えられた仕事をこなすだけでは得られない、価値のある強みになります。

デメリット

集中力を失う
副業を本気でやればやるほど、体力も時間も使うことになります。
その疲労感から本業の仕事に対して集中できなかったり、仕事の効率が落ちてしまったりする恐れもあります。考課に悪い影響を及ぼす可能性もあるので、副業は本業に支障のない範囲にとどめておくのがいいですね。
生活のバランスが崩れる
平日の朝から夕方まで本業の仕事、終業後や他の空き時間、休みの日に副業……というスケジュールを組むことになるため、休息時間が取れなくなってしまいます。
その状態が長引けば体調を崩すことになりかねません。十分に注意することが必要です。
本業の給与に満足できなくなる
副業で固まった収入を得られるようになると、本業より稼げているかも、という気持ちになってしまうことがあります。すると本業の仕事のモチベーションが下がり、成果を出せずに給与も上がらず……と、悪循環に陥ってしまうのです。
結果「今の仕事を辞めて、副業を元に起業したらもっと稼げるかも!」という勘違いに至り、失敗してしまうことも。
現状を見誤らないよう、冷静な判断が必要になります。

リスキーな副業より、転職の方がいいかも?

副業 禁止 なぜ
以上のことから、副業をするならできるだけ本業に影響しない・別職種の仕事にするべきだということがわかりますね。
まずはご自分の職場の就業規則と照らし合わせて、副業してもいいのかどうかを確認してから行いましょう。いくら法的に許されているとは言っても、就業規則を破れば解雇される可能性もあります。懲戒処分を免れても、その後職場で気まずい思いをしてしまうかもしれません。

給与アップを狙うなら、副業に手を出す前に「転職する」のも手のひとつ。
現状の給与に不満があるなら、高給与求人をチェックしてみてもいいかもしれませんよ!

参考サイト
・キャリアコンパス「副業を始める前に要チェック! 会社員の副業が禁止されてる3パターン」(2016年2月8日)
・U-NOTE「どうして副業したらいけないの?企業が社員に副業禁止を規定する理由」(2014年5月27日)
・HOW MATCH「副業禁止の会社員は本当に何もしてはいけないのか??」(2017年5月12日)
・独立行政法人 労働政策研究・研修機構「(47)【服務規律・懲戒制度等】兼業・二重就職」(2017年7月28日)

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