海外で活躍する理学療法士になるには?【セラピストの働き方シリーズ】

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年間で1万人近く輩出されている、理学療法士国家試験の合格者。
彼らの多くは病院勤務を希望し、また病院側も安いコストで獲得できる新卒を雇用するため、医療現場の療法士は飽和状態になりつつあります。
そのため昨今のリハビリ業界では、病院から地域に出ていこうとする――活躍の場を増やすための、職域拡大の動きがさかんになっています。
2025年問題もあることから、今後は地域での在宅リハビリに携わる人が増えるのではないでしょうか。

そうした外の世界へ目を向ける動きの中で、「そもそも日本を飛び出して、海外でセラピストとして活躍する」ことを、あなたは想像したことがありますか?
この記事では諸外国のセラピスト事情や日本との違いをまとめながら、どのようにして海外で活躍するかを考えてまいります。

アメリカの理学療法士

開業権を持たない日本の理学療法士とは異なり、アメリカの理学療法士は独立できるのが特徴です。
アメリカの理学療法士について、詳しく見ていきましょう。

アメリカでは受けた教育のレベルによって、理学療法士を「PT」と「PTA」の2つにわけることができます。

【PTとPTAの違い】
    PT PTA
正式名称 Physical Therapist Physical Therapist Assistant
業務内容 患者の診断
リハビリプログラムの提供
患者の重症度特定とPTへの報告
リハビリプログラムの補助
平均年収 日本円換算で約979万円 日本円換算で約483万円
教育レベル 博士号(院卒程度)
解剖学、生物学、生理学、科学の知識が必要
準学士号(短大、専門卒程度)
認定された理学療法プログラムの修了

PTとPTAでは業務内容や受けてきた教育が異なるため、給与にも大きな差が出ます。
それでも日本の理学療法士の平均年収が、アメリカのPTアシスタントよりも低い約390万円 であることを考えると、どれほどアメリカで理学療法士が特別視されているかが窺い知れますね。
ちなみにアメリカの全職種の平均年収は日本円換算で約576万円です。それと比べても、アメリカの理学療法士は高水準の給与をもらっています。

オーストラリア


それでは、所変わって南半球。オーストラリアの理学療法士にはどのような特徴があるでしょうか。

理学療法士協会員 1万人
教育レベル 養成校の規制が厳しいが、卒業後は試験なしで免許を取得
理学療法士免許 英語圏で通用する
開業権 あり
認知度 高い
平均年収 500~1000万円

日本の理学療法士協会員が約7万人いることを考えると、オーストラリアの理学療法士はけして人口の多い職種とは言えません。しかしその少なさは、養成校の定員が限られていることが理由として挙げられます。

オーストラリアの養成校は大変厳しい規制を設けており、入学するためには高い偏差値が必要となります。卒業までの道のりも険しいことも、理学療法士の総数が少ない理由のひとつ。開業権があるオーストラリアの理学療法士は、診断や薬の処方など、日本に比べて勉強する分野が広いのです。
そのためか、卒業後には試験を受けずに取得できます。免許は更新制となっていますが、英語圏でも使用できるため、海外での活躍が容易なのが魅力的ですね。

海外でセラピストとして働くには

先に挙げたオーストラリアの理学療法士は、病院・施設だけにとどまらず、産婦人科や障害予防事業、健康管理などさまざまな分野で活躍することができます。開業もキャリアプランの選択肢に含まれるため、自分の望む働き方がしやすいのではないでしょうか。
日本の理学療法士はどうしたら、アメリカやオーストラリアのような「理学療法士としての地位が認知され、確立されている」海外で働けるのでしょうか。

オーストラリアで、理学療法士になろうと思ったら

日本の理学療法士免許は英語圏で通用しないため、海外でセラピストになろうと思ったら、まずはその国、あるいはそこで通用する理学療法士免許を取得する必要があります。

例えばオーストラリアで理学療法士になるのであれば、

  • ・オーストラリアの理学療法学科に入学、卒業して免許を取得する
  • ・国際免許書き換え試験(※日本で取得した免許を、海外でも使用できるようにするための試験)を受けて免許を取得する

といった方法があります。

書き換え試験での免許取得を目指す場合、まずは英語力を証明する一般テスト「IELTS英語テスト」を受験し、すべてのセッションで7.0以上の成績を修めなければいけません。(※スコアのしくみはアイエルツナビ「スコアと採点の仕組み」をご参照ください)
その上で書類審査・筆記試験・臨床試験からなる書き換え試験を受け、合格することが必須です。

理学療法士が海外で働く上で必要な試験は、国によって異なります。中にはIELTS英語テストの受験のみで免許が取得できるところもありますので、自分の行きたい国の理学療法士事情がどうなっているのかは、しっかり把握しておきましょう!

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