原因不明!?いきなり耳が聞こえなくなる「突発性難聴」とは?

The following two tabs change content below.
言語聴覚士。大学卒業後、耳鼻咽喉科に勤務し、難聴、吃音、構音障害等の聴覚・言語・コミュニケーションに困難を抱えている方のサポートを行っている。また、患者団体や家族会と連携しイベントや講演等もこなす。2013年から言語聴覚療法の情報をまとめた言語聴覚士リハビリ情報サイト:STナビを運営し、言語聴覚士の認知度向上とともに、患者様やご家族の方への適切な医療情報の発信に努めている。

宮崎関大

ある日突然、聞こえていたはずの耳が聞こえなくなり、耳鳴りや耳が塞がった感じの症状が見られたら……それは突発性難聴かもしれません。
アーティストや俳優が突発性難聴に罹患したというニュースは、世間でもたびたび取り上げられます。

「電子レンジの音に気づかなかった」
「電話の声が聞き取りにくい」
「風邪をひいたときのように耳が詰まった感じがする」

こんな症状が続いたらすぐに耳鼻科の受診を勧めます。

今回は意外と身近な病気「突発性難聴」について説明します。

突発性難聴とは?


突発性難聴とは、突然発症する原因不明の感音性難聴です。明らかな原因もなく、あるとき突然に、片側の耳が聞こえなくなる病気をいいます。きわめてまれですが、両側に起こるものも報告されています。
小児から高齢者までどの年代でも発症する可能性はありますが、好発年齢は30~60歳代で、特に50歳代が多いといわれています。男女差や左右差はありません。

原因はいまだに判明されていません。
ウイルス感染説や内耳循環障害説などの仮説を報告されているほか、ストレスが原因ともされていますが、はっきりとした原因はいまだにわかっていません。

突然の一側性難聴が主な症状


突発性難聴を発症すると、突然耳が聞こえなくなったり、聞こえが悪くなったりします。同時に耳鳴りや耳がつまった感じ、めまいや吐き気を生じることもあります。めまいは約半数の患者さんに認められますが、症状が落ち着いた後には繰り返さないのが特徴です。
また、突発性難聴では耳以外の神経症状(四肢の麻痺や意識障害など)は認められません。

早急な治療が回復の鍵


突発性難聴は早期に治療を開始することが重要です。発症後2週間以内に治療を開始しても聴力が元に戻らないときもありますが、治療が遅れるほど聴力は確実に戻りにくくなります。治療開始は早ければ早いほどよいです。

急性期の治療としてもっとも重要なものは安静です。突発性難聴の発症前には精神的、肉体的疲労感(ストレス)を感じていることが多いため、心身ともに安静にして、ストレスを解消することが大切です。
難聴の程度によっては入院治療が望ましい場合もあります。突発性難聴に対してはさまざまな治療法が検討されていますが、どのような治療法がもっとも有効であるかはいまだ明らかではありません。

ステロイドホルモンや代謝賦活剤、向神経ビタミン製剤投与する施設が多いのが現状。現在、もっとも有効とされているのは、ステロイドホルモンです。
一般的に若い人や難聴の程度が軽い人、めまいのない人、早く治療を開始した人ほど治りやすいと言われています。また聴力が回復しても、耳鳴りや耳がふさがった感じが残ることがあります。

診断基準


日本での診断基準は、昭和48年(1973年)に厚生省特定疾患調査研究班が提唱したものが採用されてきました。しかし平成24年(2012年)に厚生労働省特定疾患急性高度難聴調査研究班が、原案を踏襲しながらも国際的な参考事項を採用した改訂(案)を提唱しました。

主症状

1.突然発症
2.高度感音難聴
3.原因不明

参考事項

1.難聴(参考: 隣り合う3周波数で各30dB 以上の難聴が72時間以内に生じた)

⑴文字通り即時的な難聴、または朝目が覚めて気づくような難聴が多いが、数日をかけて悪化する例もある
⑵難聴の改善・悪化の繰り返しはない
⑶一側性の場合が多いが、両側性に同時罹患する例もある

2.耳鳴
難聴の発生と前後して耳鳴を生ずることがある。

3.めまい、および吐気・嘔吐
難聴の発生と前後してめまい、および吐気・嘔吐を伴うことがあるが、めまい発作を繰り返すことはない。

4.第8脳神経以外に顕著な神経症状を伴うことはない
診断の基準: 主症状を全事項みたすもの
(厚生労働省特定疾患急性高度難聴調査研究班、2012年)

まとめ


突発性難聴はいまだに原因が不明ですが、睡眠不足や朝食抜きなど不規則な生活でストレスのかかっている人や、食生活が西洋型の人に多いという報告があります。また、葉酸欠乏や糖尿病、多量の飲酒、疲労が発症のリスクファクターとする報告もあります。上手な息抜きを身に付けて、リスクの軽減を図り、異変があればすぐにお医者さんに相談することが大切です。

参考サイト
上尾市医師会 健康ガイド(2017年6月30日)
・日本耳鼻咽喉科学会広島地方部会 やさしい耳鼻咽喉科講座(2017年6月30日)
・難病センター 耳鼻科疾患分野突発性難聴(2017年6月30日)
・専門医通信 突発性難聴治療のEBM 喜多村健(2014)

この記事が気に入ったら
いいね!

最新記事をお届けします。

LINEで購読