患者さんは「療法士」についてくる!これからの病院はどうやってブランディングする?

The following two tabs change content below.
理学療法士。メンタル心理カウンセラー。上級心理カウンセラー。理学療法士国家資格取得後。身体面のみでなく精神・心理面も診れるセラピストを目指し心理カウンセラーの資格を取得。現在、都内のクリニックに勤務しながらトレーナーチームEsperanzaの代表を務め、某スポーツ企業との勉強会や舞台俳優、ダンサーなどのパーソナルトレーナーとしても活躍している。

石渡雄次

こんにちは。
トレーナーチームEsperanza代表、理学療法士の石渡です。

最近の活動の1つとして、大変ありがたいことに、某クリニックの自費部門やスポーツジムのリハビリ部門などの新規事業立ち上げのアドバイザーの仕事をさせていただけるようになりました。医療に対する新しい取り組みや、新たな医療ビジネスの視点を学べる機会に繋がっています。
今回は、それらの経験を踏まえた上で、個人的に感じている時代の変化と変わり始めている病院の在り方について書かせていただきたいと思います。

患者は病院ではなく“人”につく


急激に加速する情報過多の時代、ブログやSNSなどを活用して各個人が発信系として容易に機能することが可能となりました。
そんな時代、新たな病院のブランド力の構築に必要な要素として、“人”が重要になってきているということを交えてお話しして行きたいと思います。

以前、私が目を通していた資料にこんな面白いことが書いてありました。
某有名病院のある1人の医師が、他院へ移ることになりました。するとその有名病院の患者数は大幅に減少し、医師の移籍先の病院で患者数が右肩上がりになった……というものです。
このニュースはSNSやネットなどあらゆる情報網を通じて取り沙汰されました。それは相互の病院のブランド力に急激な影響を与えることになりました。

病院の在り方は確実に変化しつつあります。1人の“人”により経営が左右される時代になりつつあるのかもしれません。
それでは、療法士には何ができるでしょうか?
「それはあくまでもDr.の話だから、療法士である自分達は関係ない。」
そう思って終わってしまうだけでは、せっかくの機会を逃してしまう……非常にもったいないことであると考えています。

二手に分かれていく療法士が、生き残っていく道は


今後、「療法士が二極化する」というようなことが盛んに言われています。
高収入の療法士になるか、低収入の療法士になるか。その差がはっきりするということです。
そしてそれは「患者から選ばれる療法士になるか、選ばれない療法士になるか」とも言い換えられます。
もちろん療法士としての技術やテクニックなどの要素も含まれるでしょうが、個人的にはそれ以外の要素を占める割合の方が間違いなく大きい、と考えています。

技術やテクニック以前に、“1人の人”として患者を感動させ、この人の言うことであれば行動してみたいと思わせられる療法士になること。
今までは病院という組織の裏方のイメージが強かった療法士ですが、本来はもっとクローズアップされていい素晴らしい仕事です。その存在をアピールしていくことが重要になっているように感じています。

療法士としての“存在価値”を新しい時代に示していくことで、療法士の社会的貢献度を少しずつでも認知してもらうことが、生き残っていくための手段の1つであると考えています。

病院の新しいブランド戦略と、療法士の存在と可能性


上述したように、患者は病院という組織よりも“1人の人”を信頼する時代であると私は考えています。
病院が今まで以上にブランド力を上げるためには、病院内の設備やサービスの紹介の他、“Dr.や療法士”を存分にアピールしていくことが重要となるように感じています。
拡散力のあるネットの影響により、Dr.やセラピスト、さらにはNs、受付事務の評判が直接病院の評価へと直結していく時代です。

もし、病院で患者がDr.や療法士を指名できるようになったとしましょう。これは美容室などではすでに行われているシステムです。美容室のスタッフの対応1つ1つが、美容室全体のイメージを構築していきます。
同じように患者やその家族がDr.や療法士を指名できると、安心感や満足度が病院の評価へダイレクトに影響するのです。

このシステムはセラピストの格差を生むかもしれませんが、セラピストの報酬面の見直し、業界全体の質の維持・向上を図るという意味では、個人的には非常に面白い取り組みであるとも考えています。
何はともあれ、今までのような病院の在り方では、時代の変化に取り残されていくばかりであるのかもしれません。

私は理学療法士という仕事がとても好きです。これからも時代に合わせて活躍し続けて欲しい職業だからこそ、時代に合わせて変化し続けて、職域や可能性を拡げていくべきであると考えています。

守りの医療から攻めの医療へ


今までの療法士は病院を窓口として、病院に来た人だけを相手にサービスを提供してきました。しかし、現在その窓口は急速に拡大しており、病院にいて患者を待つだけであった構図は大きく変わりました。

今まではチーム医療と言いつつ、どこかで病院の組織図というのはピラミッド型の階層が存在していたように感じます。
しかし冒頭でも述べたように、個人が発信系として機能することが可能となったことで、従来のピラミッド型の組織階層は古くなりつつあります。

今までの療法士は病院に来院した人だけを相手にしていましたが、それ以外の一般人を対象にその知識を活かせる時代になってきました。本来、事前に防げる怪我や症状に関して、予防できるのであればそれが1番良いはずです。

次世代の病院が力を入れるべき最大の役割として、『予防医療』はキーワードとなります。この最大の課題を医療業界はどう乗り越えていくのか……1つの見所と感じています。

健康寿命を延伸させるための最大の要素は『自分の健康を自分で守っていただくこと』です。そして、その方法を『どのようにして守って行くべきかを指導していくことが療法士として重大な役割になること』は間違いないです。これを世間に伝え続けて行くことが必須であり、最重要課題の任務であると考えています。

いずれにしても、今までの病院の在り方では、時代の変化に取り残されてしまう可能性が高いです。生き残る組織というのは、時代に合わせて柔軟に変化していける組織である、ということは言うまでもありません。
今後の病院の在り方、医療業界のカタチは確実に変化の過程を遂げ、面白い業界になることは間違いないと思って注目しています。

この記事が気に入ったら
いいね!

最新記事をお届けします。

LINEで購読