男性セラピストと女性セラピストの差って何だろう?いま、時代が求めるセラピストになるために

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1989年生まれ。小学校時代より体育教師を目指し、高校で体育コースへ進学。しかし部活動での怪我・入院を機にリハビリ職に興味を持つ。高校卒業後、横浜市内の専門学校に進学し、2010年作業療法士免許取得。回復期を4年間経験し、一般企業へ転職。その後訪問リハビリに進む。

和田有美

「私のリハビリの担当、できれば女性がいいの」
現場で働いていると、患者さんから言われることがあります。もちろんその逆で「男性がいい」とおっしゃられる場合もあります。
その理由は患者さんによって異なりますが、リハビリ職は身体に触れる仕事ですので、担当セラピストの性別を気にされている方は意外と多いです。

「男性で若くて、イケメンの人がいい」

80代の女性に、「男性で若くて、イケメンの人がいい」と言われたことがあります。私の担当の患者さんではありませんでしたが、上司は担当者を決める際、若手の男性セラピストにお願いしていました。
イケメンというのは人それぞれの基準があると思いますが、その患者さんは若い男性セラピストというのが良かったようで、嬉しそうにリハビリに取り組んでいらっしゃいました。

のちのち理由を聞くと、最近会えていないお孫様が、20代の男性とのこと。
自分の孫と同世代である男性とお話したりリハビリに取り組むことで、寂しい気持ちを解消したい……ということだったようです。

ただでさえ入院生活というのはストレスの多い環境です。知らない場所で、知らない人たちが何十人と共同生活をしていて、職員の顔ぶれも日によって変わります。
そんな中で三か月間、毎日2時間以上のリハビリメニューをこなしていかなければいけない訳ですから、何か楽しみがないと続けられない方も多いのだろうと思います。

性別を意識しているからといって、決して「男性好き」「女性好き」というわけではありません。リハビリに対するモチベーションや、入院生活の楽しみになることもあるのです。

たびたびいらっしゃる「女性セラピスト希望」の患者さん

「担当は女性の人が良いです」とおっしゃる患者さんは男女問わずたびたびいらっしゃいます。その理由の8割は、「男性だと力が強いから女性がいい」というものです。

実際リハビリでは、関節可動域訓練や筋力強化訓練を行うことがあります。その際に力が強い男性セラピストだと痛みが増しそう、疲れてしまいそうというイメージが強いのです。
実際には、男性が行ったからといって痛みが増すようなことは決してありません。
患部の状態をしっかり評価し、担当医師にどのくらいの負荷をかけて良いかを確認し、ご本人様の訴えと状態を見極めたうえで適切なリハビリテーションを提供していきます。

しかし高齢でこれまでにリハビリを受けたことがなく、怪我をした痛みが取れない状況で、何をされるんだろう……と不安に思う患者さんは多いのです。そのような状態では、なるべく痛くしないでほしいと思うことは当たり前ですね。

セラピストに必要なものは、ゴッドハンドではない

私たちセラピストは患者さんの心理状況や気持ちを汲み取り、入院生活・リハビリ時間を不安に感じさせることなく、安心して過ごしていただけるようなサービスを提供する必要もあるのです。
私も不安が強い患者さんには、リハビリ時間以外でも病室にお話しに行ったり、なるべくコミュニケーションを取ったりして、安心してもらおうとしていました。
「病は気から」と言いますが、その通りなのです。
いくら怪我の程度が軽度であっても、生活している環境が不安なものであれば、痛みがなかなか取れなかったり、ほかの部分が痛くなったりしてしまうこともあります。
精神衛生状態と身体機能の回復は、密接な問題であると思っています。

高齢社会が深刻化している現在の日本。
いろいろな疾患を患い、リハビリテーションを必要とする方は右肩上がりで増加しています。そして早期退院を目指している医療業界の中で、私たちが「怪我」だけを見ているようでは、患者さんにとっての本当の治療にはならないのです。
心のケアまでできるセラピストが、いま、必要とされています。

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