新人作業療法士、注目!未来に活きる働き方のポイント【セラピストの働き方シリーズ】

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4月から作業療法士として働き始めた新人さんも、もう3か月目を迎えようとしている頃ですね。今までとはまったく異なる環境での生活に、困ったり悩んだりすることも多いのではないでしょうか。
養成校で勉強したはずのことも、実際に臨床で出会うとまた違った感じがしますよね。

今回の記事では、「新人作業療法士の働き方」について考えてまいります。

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押さえておきたいポイント~基礎編~

作業療法士 新人

新人といっても、作業療法士養成校を卒業して初めて社会に出る人もいれば、違う職種から転職して作業療法士になった人もいます。
しかしいずれにしても、「病院や介護施設といった組織」に属するということは意識しておくべきでしょう。

スタッフ同士のコミュニケーションを円滑に

人間関係が良好であることは、長く快適に働く上では欠かせないポイントですよね。
同じ職場で働く同期や先輩の顔と名前は、できるだけ早く覚えるようにしましょう。

病院や介護施設などでは、チーム医療・チーム介護のために多職種協働が推奨されているところが多いです。スタッフ間のコミュニケーションを円滑にしておくことは、患者さんに関する情報共有の際にも大いに役立ちます。

組織のルールを順守する

病院や施設の一員として働くからには、自身が属する組織のルールをきちんと遵守しましょう。決まりを守ることは、社会人以前に人として必須のポイントです。
「これは規則的にやっていいことなのか?」という判断軸ができると、自身が行動を起こす際のヒントにもなります。何かに挑戦したいときに確信をもって一歩を踏み出せるかどうかの決め手になりますので、ぜひ把握しておきたいですね。
わからないことがあれば先輩に聞いたり見習ったりして覚えましょう。

押さえておきたいポイント~治療編~

作業療法士 新人

作業療法士として基礎的なことを押さえられたら、次は臨床に関するポイントもチェックしましょう。
今回は新人作業療法士が特に苦手な、しかし知っておくべき「評価」「予後予測」についてまとめます。

評価の流れ

患者さんの評価、どのようにやっていけばいいのか不安に思う新人作業療法士も多いのではないでしょうか。
授業で習うのと実際にやってみるのとは違います。現場で混乱しないよう、しっかりマスターしたいですね。

事前情報収集
患者さんに会う前に、カルテを読み込んだり看護師さんに話を聞いたりして情報を集めます。目標設定や予後予測のために、まずは準備の段階からしっかりと固めていきます。
ただし、この情報だけで患者さんに先入観を持ってしまうのは危険です。あくまで前情報として、本人にあった時に得られる情報とは分けて考えましょう。
情報収集
本人やご家族とお会いして、そこから得られる情報を集めます。しっかりと観察し、また患者さんから自然と言葉を引き出せるようにじっくり問診できるといいですね。
ここで正確な情報収集ができないと、その後の治療に大きな間違いが生じてしまいます。しっかりと患者さん・ご家族のことを把握しましょう。
能力・機能制限の把握
患者さんが現在持っている能力や不足している能力を分析して把握し、その原因を追究します。基本的には疾患が原因で機能制限が生じていることがほとんどです。
介入が可能なのかどうか、綿密な分析が必要です。
治療方針の決定・予後予測
エビデンスや自身の能力、患者さんの状態を元に治療法を選択します。そして「この治療をしたらどのくらい回復するか?」という仮説を立てます。
患者さんのニーズにあっていればその方法でリハビリテーションを進めていきますし、あわないようなら機能回復を促しつつ、他の方法を考えなければなりません。
自分ができることと、患者さんがどれくらいできるようになるかを把握して目標を立てましょう。
目標設定
これまでの情報や予後予測を元に、ポジティブな目標を立てましょう。
患者さん自身もやる気になれるものを決められるとよいですね。

予後予測のポイント

予後予測は、エビデンスや自身の経験、知識をかけあわせて行っていくもの。臨床経験が圧倒的に少ない新人作業療法士が、苦手とするのも無理はありません。

臨床的なデータを蓄積していくためには、参考書などを元に勉強することはもちろん、予測した予後がどのような結果だったかを省みることが大切です。
予測は当たったのか外れたのか、外れたならどの情報が足りなかったのか。
振り返って課題点を考えることで、経験値は上がっていきます。

フィードバックは、「先輩への報告・連絡・相談」で受けるといいでしょう。
先輩に対して患者さんの事前情報を連絡し、その後の結果も報告。そうした情報を揃えた上で、「どのような行動をしたらいいですか?」と相談するのです。
何気ない会話から「あの患者さん、どれくらいできるようになりますかね……?」とディスカッションを発展させていきます。
経験が足りないなら、経験豊富な先輩の知見をお借りする。このコツをぜひ覚えておいてください。

新人作業療法士にとって大切なことは?

作業療法士 新人

治療も雑務も、新人であれば「できなくて当たり前」。毎日の勉強と臨床経験の積み重ねで、少しずつ作業療法士として成長していくのです。
職場の頼れる先輩もベテラン上司も、誰もが初めから何でも完璧にできていたわけではありません。入職して二ヶ月の今、「できない、わからない」ことを過度に焦らなくても大丈夫。
まずは、新人作業療法士としてしっかり意識しておきたいことを確認しておきましょう。

医療人である前に、社会人である自覚を持つ

作業療法士のメイン業務はリハビリテーションですが、だからといってそれだけこなしていればいいわけではありません。
同期や先輩、上司に対する報告・連絡・相談は欠かさないようにしましょう。情報共有をスムーズに行っていくことは、職場全体がより良い方向へ進んでいくために必要なことです。
社会人としての一般常識や教養は、ぜひ身につけておきたいですね。

積極的に経験を積みに行く

まずは何事にも挑戦して、多くの臨床経験を積んでいくのがいいでしょう。さまざまな患者さんと接することで、技術もコミュニケーション能力も向上していきます。
一生懸命頑張っている人には、誰しも反感を抱きにくいもの。あなたが真摯に取り組んでいる様子は、きっと先輩や上司、患者さんの目に好ましく映るはずです。
やる気を持って積極的に仕事に取り組んでいれば、多くの人があなたの味方となってくれます。そうすれば自然と、新しいことに挑戦するチャンスも巡ってくるでしょう。

一人の人間として成長していく努力を、ぜひ忘れずに続けていってくださいね。

新人作業療法士におすすめの参考書

作業療法士 新人

新人に限らず、リハビリ職は日々勉強の求められる職業。中でも新人作業療法士の場合は、まず基礎をマスターすることを念頭に学んでいくのがおすすめです。
勉強の際に役立つ、おすすめの参考書をご紹介いたします。

病気がみえる〈vol.7〉脳・神経

作業療法士 新人

わかりやすさに定評のある、「病気がみえる」シリーズの脳・神経編。神経解剖と神経内科・脳神経外科の疾患が1冊にまとめられており、1000点のイラストと400点の写真でわかりやすくビジュアル化しています。
神経所見の具体的な取り方や、それに関係する神経解剖についてなど、細かなところまで詳しい解説がなされています。
新人はもちろん、新しい領域をすぐに勉強したい!というベテランにもおすすめできる本です。

ペリー歩行分析原著第2版正常歩行と異常歩行

作業療法士 新人

正常歩行と異常歩行に関する名著『GAIT ANALYSIS-Normal and Pathological Function 2nd ed.』の完訳本です。
第2版となる今作では、小児の歩行分析・階段昇降・走行などの項目が新しく追加。臨床事例の数も増えたほか、図の入れ替えや説明文の追加などによって、最新の研究治験も盛り込まれました。
第1版の4部21章から、6部24章構成に増加しています。

リハビリテーションリスク管理ハンドブック

作業療法士 新人

亀田メディカルセンターのリハビリテーション室が編集した、リスク管理に関する書籍の最新・第3版。「診療ガイドラインと法的責任」「リハに関連する薬剤」の内容が新しく追加されており、ますます充実した内容の一冊となりました。

作業療法士が受け持つ患者さんは、高齢者や合併症を患っている方が大半を占めます。そのため、リハビリ中に状態が急変してしまうリスクも高いのです。
この本はそうした患者さんの急変に対し、

予測:疾患ごとに急変が生じやすい症例の解説
判断:リハビリ中に遭遇しやすい症状と対処法の紹介
対応:心肺蘇生法、外傷対応などの具体的な処置の説明

という切り口で詳しく構成しています。

参考書は高価なものが多いため、初めはなかなか手を出しにくいかもしれませんが……しっかり勉強したことは、必ずあなたのその後の臨床に生きてくるものです。
ぜひ、よい本と巡り会ってくださいね!

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