新人理学療法士、注目!未来に活きる働き方のポイント【セラピストの働き方シリーズ】

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今年度から理学療法士になった方は、就職から三か月目に入ろうとしていますね!
これまでの環境とはまったく異なる臨床の現場。中には新人にもかかわらず、さっそく患者さんを担当することになった……という方もいらっしゃると思います。
慣れない状況下で、困惑することも多いのではないでしょうか?

今回の記事では、「新人理学療法士の働き方」について考えてまいります。

押さえておきたいポイント~治療の前の基本編~

理学療法士 新人

理学療法士養成校を卒業して初めて社会に出る人、一度別職種で社会に出てから理学療法士に転向した人……一口に新人理学療法士といっても、その実情はさまざまです。
しかしいずれにせよ新人さんは、まず治療に関わる以前の「組織に属する理学療法士」としての基本を押さえる必要があります。

1.一緒に働くスタッフの顔と名前をきちんと覚える

同じ職場で働く同期や先輩の名前と顔は、当たり前ですがしっかり把握しておきましょう。
人間関係の円滑化は、仕事ではもちろん、自分自身が快適に働くためにも重要なポイントです。

チーム医療、多職種協働が掲げられている昨今の病院・施設では、患者さんや利用者さんに関する情報をたくさん共有することになります。
その際にスタッフ同士のコミュニケーションが滞っているようでは、業務にも支障が出てしまいますよね。
まずは理学療法士に限らず一緒に働く仲間の名前を覚え、積極的に声をかけたり質問したりするようにしましょう。

2.スケジュール管理の徹底

1日、1週間、1ヶ月、1年間。それぞれの期間で、自身の勤める病院や施設では何が予定されているのか、しっかり把握することが大切です。
先輩や上司からの指示を待つだけではなく、主体的に「今日はどのような業務にあたったらよいでしょうか」と聞いてみましょう。

職場によってはリハビリテーションを行う以外にも、準備が必要となる仕事を任されるケースが多々あります。
いつ何が始まって、いつ終わるものなのか。きちんと管理しておきましょう。

3.組織のルールを順守する

病院や施設の一員として働くからには、自身が属する組織のルールをしっかり把握し、それを守る必要があります。
わからないことがあれば先輩に聞いたり見習ったりしましょう。「これは規則的にやっていいことなのか?」という判断軸ができると、自身が行動を起こす際のヒントになります。

押さえておきたいポイント~患者さんの対応編~

理学療法士 新人

働く上での基本をチェックできたら、次は患者さんに対する対応について考えてみましょう。

1.患者さんと会う前

担当となる患者さんに会う前に、まずはその患者さんについての情報収集をしておきましょう。
患者さんの疾患名や現病歴・既往歴、家族構成といった情報をカルテで確認し、相手のイメージを作ります。看護師さんから人となりを聞いておくのもよいでしょう。
そして医師からの指示・処方を確認し、求められていることを明らかにします。

患者さんのイメージができたら、次は文献などを参考に疾患に対する情報を集めます。
病態や一般的な経過、注意すべき合併症など一般的な情報を把握し、患者さんのイメージに照らし合わせましょう。そうすることで、リハビリテーションや評価に備えることができます。

それだけの前準備ができたら、最後は先輩や上司に不安事項を伝えて相談しましょう。
今まで接したことのない疾患の場合には、イメージするのにも限界があります。近くに頼れる人がいるときは、どんどんコミュニケーションを取っていくとよいですね。
ただし相手にも担当する業務があります。声をかける時は「今お時間大丈夫ですか?」と伺うのをお忘れなく!

2.患者さんと対面

人は見た目が9割と言われるほど、人の印象は第一印象で決まるもの。まずは笑顔で入っていって、心身共にリラックスした状態で向き合えるよう意識します。
患者さんからすれば、新人さんでもベテランでも等しく「リハビリの先生」なのです。担当の理学療法士が緊張していて表情も硬かったら、患者さんまで不安な気持ちになってしまいますよね。
落ち着いて、明るく笑顔で接しましょう。

患者さんと直接会った際にも、問診や視診、触診、運動観察などを通じて情報収集します。

3.一日が終わったら……

患者さんとの面談が終わったら、介入前のイメージと初期評価を確認しながら、どのような介入をするのか考えます。イメージと実際のギャップをどのように埋めていくか?という視点で、今から退院までに必要なアプローチを選出していきましょう。
多様な視点(身体機能、動作方法、環境など)で考えられるとよいですね。

それからは実践と評価、修正の繰り返し。患者さんに信頼してもらえるよう、はきはきと接していきましょう。

新人理学療法士にとって、大切なことは?

理学療法士 新人

新人として入職してからというもの、「できない、知らない、わからない」ことの連続で、焦ったりネガティブになったりしていませんか?
初めから何でも完璧にこなせる人はいません。むしろ力不足を実感して「どうしよう……?」と悩んでいるあなたは、これからの伸びしろがたくさんあるセラピストだと言えます。

まずは、新人理学療法士としてしっかり意識しておきたいことを確認しておきましょう。

さまざまな知識を身につける

医療業界においては職種に関わらず、専門的な知識が求められます。理学療法士も、自分の職種ならではの知識・技術を強みにして、仕事をしていくことになるでしょう。
しかし一方で、何かを究めれば究めるほど、「視野狭窄に陥ってしまう」というリスクはどうしても生じます。理学療法に関してはしっかり勉強していても、それ以外の分野の知識は一般人以下……なんてこともあり得るのです。

理学療法士は患者さん・職場の同僚・他職種のスタッフなど……さまざまな相手と綿密コミュニケーションをとることが求められる仕事です。
幅広い知識を持っている方が話題にも困りませんし、情報共有の際にもスムーズです。「何を話してもいい反応をしてくれる!」相手にとってそんな存在になれたら、きっと好感度も信頼度も上がるのではないでしょうか。

多くの経験を積む

何事にもまずは挑戦してみて、経験を積んでいくことが成長への確かな道のりです。
主体的に多くの現場を経験し、さまざまな患者さんと接することで、技術はもちろんコミュニケーション能力も上がっていくことでしょう。

ただリハビリテーションの知識や手技を向上させるだけではなく、ひとりの人間として成長していく努力こそが、あなたの将来を輝かしいものにするはずです。

毎日が勉強!の新人理学療法士におすすめの参考書

新人に限ったことではありませんが、リハビリ職は日々勉強の求められる職業です。中でも新人理学療法士の場合は、まず基礎をマスターすることを念頭に学んでいくのがよいでしょう。
勉強の際に役立てる、おすすめの参考書をご紹介いたします。

リハビリテーションリスク管理ハンドブック

理学療法士 新人

亀田メディカルセンターのリハビリテーション室が編集した、リスク管理に関する書籍の最新・第3版となります。「診療ガイドラインと法的責任」「リハに関連する薬剤」の内容が新しく追加されており、ますます充実した内容の一冊となりました。

リハビリテーションを受ける患者さんには、高齢者や合併症を患っている方が大変多いです。そのため、リハビリ中に状態が急変してしまうリスクも高くなっています。
この本はそうした状態の急変に対し、

予測:疾患ごとに急変が生じやすい症例の解説
判断:リハビリ中に遭遇しやすい症状と対処法の紹介
対応:心肺蘇生法、外傷対応などの具体的な処置の説明

という切り口で構成しています。

整形外科理学療法の理論と技術

理学療法士 新人

昭和大学藤が丘リハビリテーション病院の理学療法に対する考え方や技術をまとめた書籍。
リハビリテーションの中でも整形外科領域に絞って、治療の理論を紹介しています。他にも同病院で実際に対応したさまざまな症例を元に、機能解剖から実際の手技に至るまでを詳細に解説した一冊となっています。

骨格筋の形と触察法

学生の基本学習にも使える一方で、臨床家の厳しい要求にも答える筋の解剖学・体表解剖学書です。
筋の基本事項には論文や解剖実習で検証された起始・停止が反映されているほか、各論には「学生のための触察ポイント」が追加されています。
筋の構造学的特徴の写真、筋の位置を体表上に投影した写真、触察方法・視察方法の写真などもオールフルカラーで多数掲載。総写真点数は1000を超えています。

新人教育プログラム

理学療法士 新人

理学療法士協会に入会している場合には、生涯学習制度の一環として、「新人教育プログラム」を入会から最短1年以内に受ける必要があります。
指定の各テーマの修了条件を満たし、15単位を履修することで修了します。

テーマ テーマ名 修了条件
A 必須初期研修A 5単位中5単位
B 理学療法の基礎 4単位中3単位
C 理学療法の臨床 7単位中4単位
D 理学療法の専門性 4単位中2単位
E 理学療法における人材の育成 3単位中1単位

各テーマの詳細プログラムはこちら

新人教育プログラムは、理学療法の評価と治療、患者さんの症状に対する客観的な評価と効果的なアプローチ方法について学び、臨床能力向上につなげることを目的としているものです。
あなたがこの先「認定理学療法士」「専門理学療法士」といった上位資格を目指す際にも必須となりますので、ぜひ修了しておきましょう。

研修の申込先、修了認定証の受け取り方など、詳細は理学療法士協会のホームページをご参考ください。

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