「認知症ケア専門士」とは?仕事内容、なるには、資格取得のメリット

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後天的な脳の障害により、認知機能が著しく低下してしまう疾患「認知症」。
高齢社会へ向かっている日本では、認知症に罹患する人の数が年々増加しています。団塊の世代が全員75歳以上になるとされる2025年には、患者数は700万人に達する見込みだそうです。
参考:厚生労働省 「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」概要(2015年1月)

認知症患者さんやそのご家族に対する支援の重要性は、今後高まっていくことでしょう。
そこで今回の記事では、認知症ケアのプロフェッショナルとなる専門資格「認知症ケア専門士」についてまとめてまいります。

認知症ケア専門士とは?

認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、「認知症ケアに対する高度な学識・技能・倫理観を備えた専門技術士」のことを指します。
日本の認知症ケア技術の向上と、保健福祉への貢献を目的に、日本認知症ケア学会によって設けられた民間資格制度です。

有資格者は2016年8月の時点で、

  • 介護福祉士:19247人
  • ケアマネジャー:15253人
  • ヘルパー:11497人

と、介護職の割合が大きくなっています。しかし、認知症患者さんに関わりのある理学療法士・作業療法士・言語聴覚士も、まだ少ないながら資格を取得しているようです。

認知症ケア専門士の主な仕事内容

認知症ケア専門士
数ある認知症ケアの資格の中でも、認知症ケア専門士はより実践的な知識・技術を要する資格と言えます。
プロフェッショナルなスキルを活かして、認知症患者さんとそのご家族をトータルサポートするのが役割です。

仕事内容は認知症患者さんへの介護からご家族の相談業務まで多岐にわたります。しかしケアマネジャーならケアマネジメント業務・社会福祉士なら相談業務・介護福祉士なら介護業務……というような、資格による明確な業務の区分けはありません。
あくまでケアマネジャーや介護福祉士のサブポジション、といえるでしょう。

しかし認知症ケア専門士の試験に向けた学習内容は、先述の特定資格の試験よりも認知症について詳しくなっています。そのため、自身のスキルアップを目的として、元々資格を持っている人がダブルライセンスとして取得することが多いのです。
認知症ケア専門士は、介護保険施設や医療機関、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなど……さまざまな介護・福祉の現場で活躍しています。

認知症ケア専門士になるには?

認知症ケア専門士
認知症ケア専門士になるには、認知症ケア専門士認定試験を受験して合格する必要があります。

受験資格

認知症ケア専門士
認知症ケア専門士認定試験に必要な資格はただひとつ、「認知症ケアに関する施設・団体・機関などにおいて、過去10年間のうちに3年以上の認知症ケアの実務経験がある」ことです。
職務で認知症ケアに携わっていた証明書を事業所から発行してもらえれば、誰でも受験することができます。

認知症ケアに関する施設・団体・機関は、主に以下のものが挙げられます。

  • 介護老人保健施設
  • 介護老人福祉施設
  • 特別養護老人ホーム
  • 通所介護
  • ショートステイ
  • グループホーム
  • デイサービス
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 訪問介護
  • 居宅介護支援
  • デイケア
  • 訪問リハビリテーション
  • 通所リハビリテーション
  • 訪問看護ステーション
  • 地域包括支援センター
  • 認知症センター
  • 各市町村の福祉課

勤めているのが認知症専門の事業所でなくとも問題ありません。認知症ケア業務に携わってさえいれば、実務経験に該当します。
ただし、ボランティア活動や実習で現場に立っていた日数は実務経験にカウントされないため、証明書発行の際には注意が必要です。

試験内容

認知症ケア専門士
認知症ケア専門士認定試験には、一次試験(筆記)と二次試験(論述・面接)があります。
一次試験を合格した人だけが二次試験に進むことができます。

一次試験

一次試験は、五者択一マークシート形式の筆記試験となります。
出題分野は全部で4つ、1分野につき50問となります。ただし一度合格した分野については5年間有効となるため、一気に4分野合格しなくてはいけない、ということはありません。

出題分野は以下の通りです。
各分野とも正答率70%以上が合格ラインとされています。

認知症ケアの基礎
認知症ケアのあり方、予防方法や特徴など認知症についての理解、認知症患者を取り巻く社会的環境について
認知症ケアの実際Ⅰ
ケアの具体的な進め方や、家族への支援も含めたケア実践の総論
認知症ケアの実際Ⅱ
身体的兆候への理解と対応、行動・心理症状(BPSD)の対応、薬物療法の知識、リハビリテーション、非薬物療法、施設・在宅における環境支援、ターミナルケアのプロセスと対応について……などの各論
認知症ケアにおける社会資源
認知症患者が社会生活をする上で必要な「インフォーマルサポート」「フォーマルサービス」などについて

二次試験

一次試験の合格者のみを対象に、論述試験・面接試験が行われます。

論述試験
認定委員会から出題される事例問題と用紙を請求し、指定された期間内に提出
面接試験
1分間のスピーチと、6人でのグループディスカッション

論述試験・面接試験を通じて、以下のポイントが合格への要件となっています。

  • ・適切なアセスメントの視点を持っているか
  • ・認知症を理解しているか
  • ・適切な介護計画を立てられるか
  • ・制度および社会資源を理解しているか
  • ・認知症患者の倫理的課題を理解しているか

合格率

認知症ケア専門士公式サイトによると、認定試験の合格率は毎年おおよそ50~60%台となっています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
第11回
(2015年)
7319人 4375人 59.8%
第10回
(2014年)
6295人 3365人 53.5%
第9回
(2013年)
7533人 3715人 49.3%

テキストや問題集を繰り返し説いたり、受験対策講座に参加したりして、合格を目指していきましょう。

更新制度

認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は更新制の資格です。取得日から5年以内に30単位を獲得することで更新することができます。
講演会や学術集会への参加、発表などによって単位を得ることができます。

領域Ⅰ(参加:3~8単位 発表・座長:+2~3単位)
学会大会や地域大会、日本認知症ケア学会が認める学会への参加・発表で取得できます。
領域Ⅱ(参加:2~5単位 発表・座長:+1~3単位)
学会主催の教育講演やセミナー、地域部会が主催する講演、認定委員会が認める講演への参加または発表・座長・講師によって取得できます。
他にも学会ホームページにある動画講演を受講したり、地方自治体主催の認知症ケアに関する講師活動を行ったりすると、1単位が付与されます。
領域Ⅲ(学会・事例ジャーナルへの論文:8単位 その他論文:3~4単位 共著者:1~2単位)
学会誌や認知症ケア事例ジャーナルへの論文投稿をはじめ、さまざまな場所での論文発表によって取得することができます。

更新に必要な30単位のうち、20単位は領域Ⅰ・Ⅱで取得することが条件となっています。
詳細な単位数については学会ホームページを確認するのがよいでしょう。

資格取得のメリット

認知症ケア専門士
認知症ケア専門士の資格を持っていることで、「認知症のプロフェッショナルとして職場での役割が変わる」「就職先の選択肢が広がる」といったメリットがあります。
現在はまだ目立った優遇をされていませんが、今後認知症患者さんの数が増えれば、需要も高まっていくものと考えられます。
資格手当を出す事業所も増えて、給料アップが見込めるかもしれません。

現時点でもスキルアップ・キャリアアップを考えているのであれば、取得して損はない資格でしょう。

スキル、キャリアを高めるなら……

スキルアップ・キャリアアップの方法のひとつには、「これまでとは違う分野に転職する」というものもあります。
より認知症ケアに力を入れていきたい、認知症患者さんのリハビリをもっと担当したいということであれば、思い切って職場を変えてみるのもいいかもしれません。

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