「ブレーデンスケール」とは?褥瘡予防に欠かせないリスクアセスメントのすべて

The following two tabs change content below.
リハビリのお仕事Magazineでは、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などリハビリ職の方々に向けて情報を発信しております。 寄稿希望・取材依頼・お問い合わせなどございましたら、info@rehabili-shigoto.comまでどうぞ。

褥瘡(床ずれ)は、寝たきり状態の患者さんに起こりがちな疾患です。
同じ部位を圧迫され続けることで血流が阻害され、皮膚や軟部組織が壊死してしまうことを指します。

患者さんの身体に大きな負担をかけてしまう褥瘡は、「つくらないようにする」のがもっとも重要です。
そのためには発生リスクをアセスメントによって予測し、予防のためのケアをする必要があります。

今回の記事では、褥瘡の発生リスクを評価する「ブレーデンスケール」についてご紹介いたします。

ブレーデンスケールとは?

ブレーデンスケール
ブレーデンスケールとは、褥瘡が発生するリスクを客観的に評価するリスクアセスメントツールのひとつです。
褥瘡を引き起こす6つの項目に対して4段階(1~4点)でチェックし、その合計点から褥瘡の発生リスクを予測します。
ブレーデンスケールを用いることで、チームが統一された評価を正確に行うことができます。

合計点が低いほど褥瘡の発生リスクが高いと判断されますが、日本では以下のような基準が設けられています。

患者さんの状況 褥瘡が発生しやすい点数
病院 14点以下
介護施設・在宅介護 16点以下

ブレーデンスケールは褥瘡発生の予測妥当性に優れており、予防対策としてのケア介入がしやすいため、使用によって褥瘡発生を50%抑えられるとされています。
子どもから高齢者までを対象としていることもあってか、世界各国で採用されている評価スケールです。

ブレーデンスケールの評価項目

ブレーデンスケール
ブレーデンスケールは、以下の6項目を「1点:もっとも悪い」から「4点:もっとも良い」で評価して合計点を出します。
(「摩擦とずれ」は1~3点)

  • ・知覚の認知
  • ・湿潤
  • ・活動性
  • ・可動性
  • ・栄養状態
  • ・摩擦とずれ

知覚の認知

知覚の認知とは、圧迫による不快感に対して適切に反応できる能力を指します。

4点:障害なし
痛みや不快感を訴えることができる。呼びかけにも反応する
3点:軽度の障害あり
呼びかけには反応するが、痛みや不快感、体位変換の希望を時折伝えられない。
もしくは知覚障害のために、四肢の1.2本について痛みの感じ方が不完全
2点:重度の障害あり
痛みにのみ反応を示す。不快感を伝えるときには、うめいたり身の置き場なく身体を動かしたりすることしかできない。
もしくは知覚障害のために、身体の半分以上で痛みの感じ方が不完全
1点:知覚なし
意識レベルの低下や鎮静により、痛みに対する反応がない。
もしくは知覚障害が身体の全域に広がっている

湿潤

湿潤は、患者さんの皮膚が湿り気にさらされている程度を指します。

4点:めったに湿っていない
皮膚が通常乾燥状態にある。
定期的に寝間着・寝具を交換すればよい
3点;ときどき湿っている
皮膚が時々湿っている。
定期交換のほかに、1日1回ほど寝間着・寝具の交換が必要
2点;たいてい湿っている
いつもではないが皮膚はしばしば湿っている。
介助者の勤務中に少なくとも1回は寝間着・寝具の交換が必要
1点:常に湿っている
汗や尿のために皮膚がいつも湿っている。
患者さんを移動させたり、体位変換を行ったりするごとに湿気が認められる状態

排泄介助や更衣介助でのケア介入が可能です。

活動性

活動性は、患者さんの行動範囲から判断します。

4点:歩行可能
起きているときに、少なくとも1日2回は部屋の外を歩く。
また、室内では2時間に1回は歩く
3点:ときどき歩行可能
短い距離に限られるが、日中はときどき歩く(介助の有無は不問)
しかし介助者の勤務中は、ほとんどの時間をベッド・布団の上で過ごす
2点:座位可能
ほとんど、あるいはまったく歩けない。
椅子や車いすに座る際は介助を必要とする
1点:臥床
寝たきりの状態である

離床のためのトレーニングやレクリエーションなどを行うことでケア介入ができます。
動くことには寝たきりの圧迫を減らすだけでなく、血流を改善して褥瘡を作りにくくする意味もあるのです。

可動性

可動性は、患者さんがどのくらい体位を変えたり整えたりできるかで判断します。

4点:自由に体動する
介助なしで適切に体位を変えるような動きができる
3点:やや限られる
少しの動きではあるものの、しばしば自力で体幹または四肢を動かす
2点:非常に限られる
ときどき体幹または四肢を少し動かすが、体位を変えるような体動はしない
1点:まったく体動なし
介助なしでは少しも体動できない

体位交換や適切な体位交換枕の使用で、患者さんをサポートしましょう。

栄養状態

栄養状態は、患者さんの普段の食事状況を指します。

4点:非常に良好
毎食ほとんど食べる。
たんぱく質・乳製品を1日4皿以上摂取したり、ときどきおやつを食べたりする
3点:良好
1日3回以上の食事をし、1食につき半分は食べる。たんぱく質・乳製品を1日4皿摂取している。
時折食事を拒否するが、進めれば通常補食したり、経管栄養や高カロリー輸液を受けたりする
2点:やや不良
めったに全量摂取せず、1食半分も食べない。たんぱく質・乳製品は1日3皿分摂取している。
栄養剤や流動食、経管栄養を受けている
1点:不良
決して全量摂取せず、1食3分の1以上食べない。たんぱく質・乳製品は1日2皿以下。
飲み物類なら摂取することがあるほか、末梢点滴を5日間以上続けている

栄養が不足すればするほど、褥瘡発生のリスクは高まります。
食事介助全般でサポートしていきましょう。

摩擦とずれ

摩擦とずれは、患者さんが動いた際・介助者による移乗の際に、どの程度皮膚がこすれているかで判断します。

3点:問題なし
自力で椅子や床上から動ける。
身体を支える筋力も備えているため、いつでもよい体位を保てる
2点:潜在的に問題あり
弱々しく動き、最小限の介助を必要とする。
移動のときに皮膚がシーツや椅子などに擦れている可能性があるが、おおよそはよい体位を保てる
1点:問題あり
移動のために中等度~最大限の介助を必要とする。
身体を擦りながらでないと移動ができない上、床上や椅子からしばしばずり落ちてしまう

評価表のダウンロードはこちら
社会福祉法人 エーデル土山「スキンケア委員会」(2017年4月14日)

アセスメント実施のタイミングは?

ブレーデンスケール
初回のアセスメントは、患者さんが入院してから24~48時間以内に行うのがよいでしょう。
患者さんがすでに寝たきりの状態で、可動性・活動性が低下してしまっている(=2点以下)になっているときもおおよその目安です。

また、評価を行う頻度は、
急性期:48時間ごと
慢性期:1週間ごと
に行うのが望ましいですね。
特に高齢者の方の場合は、入院してから1カ月経った後でも、状態変化を見つつも3ヶ月に1回アセスメントを行うとよいでしょう。

その他の褥瘡アセスメントツール

ブレーデンスケール
ブレーデンスケール以外にも、褥瘡発生のリスクを予測するアセスメントツールは存在します。

K式スケール

患者さんが普段から持っている「前段階要因(自力体位変換不可/骨突出あり/栄養状態不良)」と、「引き金要因(体圧/湿潤/ずれ)」から判断する評価スケールです。
Yes(1点)かNo(0点)で採点します。

OHスケール

寝たきり高齢者・虚弱高齢者を対象に褥瘡発生のリスク要因を点数化したものです。

  • ・自力体位変換能力
  • ・病的骨突出
  • ・浮腫
  • ・関節拘縮

の4項目について得点をつけていきます。
合計点が多いほど、褥瘡発生のリスクが高いということになります。

厚生労働省危険因子評価票

日常生活自立度B~Cの患者さんを対象に、危険因子評価票を用いた二択の評価をします。

対象となるのは

  • ・基本的動作能力
  • ・病的骨突出
  • ・関節拘縮
  • ・栄養状態低下
  • ・皮膚湿潤
  • ・浮腫

の6項目。点数化はされていないため、ひとつでも「あり」「できない」があればケアプランを立案することになります。

編集部より

友だち登録でお得な情報をゲット!

友だち追加

「今の職場で成長を実感できない」「昇給が見えなくて将来が不安」「休日がもっと欲しい」
そんなお悩みをもつPT・OT・STさんの転職は、リハビリのお仕事にお任せください。
リハビリのお仕事】はPT・OT・ST専門の無料転職支援サービスです。

まずはキャリアのご相談からでも大歓迎です。
リハビリ業界に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの希望にあった求人をご紹介いたします。

↓簡単登録で専属のキャリアアドバイザーがつきます↓

この記事が気に入ったら
いいね!

最新記事をお届けします。

LINEで購読