言語聴覚士が、高次脳機能障害の患者さんにできること

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脳卒中などによって脳の損傷が引き起こされると、記憶・意思・感情といった高度な脳の機能に障害が現れます。
それが「高次脳機能障害」と呼ばれるものです。

今回の記事では、さまざまな障害を発現する高次脳機能障害に対して「言語聴覚士はなにができるか?」について考えます。

高次脳機能障害と言語聴覚士

高次脳機能障害のうち、どのような障害を発するかは患者さんによって異なります。
それは脳の損傷部位によって、さまざまな症状が組み合わさって発現するため。
高次脳機能障害によって引き起こされる障害は多岐にわたるのです。

その中で、言語聴覚士が担当する症状についてご紹介いたします。

失語症

言葉を聞いて理解することや話すこと、文章の読み書き、計算などに支障をきたします。
言葉によるコミュニケーションが阻害されてしまうため、患者さんは周囲から孤立してしまいがち……。

言語聴覚士は失語症の患者さんに対して、単語カードなどを用いた訓練を行い、言語機能の回復やコミュニケーション能力の向上を目指します。
また、患者さんのご家族や周囲の方々にも説明をし、理解を得られるよう取り計らうのも言語聴覚士の役割と言えます。

構音障害

失語症と混同されがちな構音障害ですが、これは唇や舌などの発音・発声器官がうまく動かなくなってしまう運動障害です。
「話すこと」のみが阻害されるものであり、言語機能そのものに支障をきたす失語症とは異なります。

言語聴覚士は自身の口の形を患者さんに真似してもらって、声を出す・文章を音読する訓練などを行っていきます。

摂食・嚥下障害

摂食障害・嚥下障害は舌や喉がうまく動かなくなることで引き起こされる、食べ物をうまく食べられなくなったり、飲み込めなくなったりする障害です。
食べ物の一部が誤って肺に入ってしまったりすると、肺炎などの病気を引き起こしてしまう恐れもあります。

言語聴覚士は水やゼリーなどを用いて摂食器官の運動訓練を行ったり、現在の状態に適した飲み込み方の指導、食べ物の形態をどのように工夫するかなどのアドバイスを行ったりします。

そのほかの諸症状

そのほかにも、高次脳機能障害にはさまざまな障害が見られます。

  • ・注意障害:集中力が続かない、複数の作業を同時進行できない
  • ・半側空間無視:損傷した脳とは反対側の空間を意識できなくなる
  • ・記憶障害:事故や病気の前後に経験したことを思い出せなくなる
  • ・遂行機能障害:計画立てて行動できなくなる

こうした諸症状に対しても、言語聴覚士は理学療法士・作業療法士とともに、チームで評価・機能訓練にあたっていきます。
代償手段の獲得や患者さんのご家族への説明、日常生活・社会生活に復帰するためのさまざまな援助を行います。

これからの言語聴覚士は……

脳卒中は日本の死因第4位を誇る疾病であり、高齢社会へ進んでいくこれからの日本においては、ますます患者数を増やしていくものと思われます。
これから先、臨床現場では、高次脳機能障害を持つ患者さんがより多く見られるようになるでしょう。

これからの言語聴覚士には、ますますの活躍が期待されますね。
病院によっては訓練材料が少ないところもありますので、担当する症状に応じて課題を自作しておくのもいいかもしれません。

言語聴覚士ならではの視点で、患者さんをサポートしていきましょう!

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