国際的な認知症テスト「MMSE」とは?評価方法、ポイント、注意点

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認知症の疑いがある人のために作られた検査の中で、もっとも有名なのが「MMSE(ミニメンタルステート検査)」です。
口頭による11問30点満点の質問形式によって行われるもので、国際的に利用されています。
1975年、アメリカのフォルスタイン夫妻によって考案されました。

認知症は進行性の脳疾患であるため、時間が経つにつれてどんどん症状が悪化していきます。
治療薬として投与されているものも劇的な効果を持っているわけではなく、むしろ症状の重さに比例して抑制効果が弱まってしまっている……
というのが実情のようです。

つまり認知症治療は、いかに早く発見して治療を開始するかにかかっているのです。
認知症テストは、重症患者を増やさないためにも重要なものとなっています。

そこで今回の記事では、「MMSEとは何なのか?」について、詳しくまとめてまいります。

MMSEのテスト問題

MMSEは脳の認知機能(見当識・記憶力・計算力・言語的能力・図形的能力)を確かめるテストです。
問題は全部で11問、30点満点で採点します。

  • 1.時間の見当識
  • 2.場所の見当識
  • 3.記憶
  • 4.計算
  • 5.想起
  • 6.呼称
  • 7.読字
  • 8.言語理解
  • 9.文章理解
  • 10.文章構成
  • 11.図形把握

1.時間の見当識(5点)

1問正解するごとに1点となります。
「今日は何日ですか」
「今年は何年ですか」
「今の季節は何ですか」
「今日は何曜日ですか」
「今月は何月ですか」

2.場所の見当識(5点)

1問正解するごとに1点となります。
「ここは何県ですか」
「ここは何市(町村)ですか」
「ここはどこですか」※施設名が正答
「ここは何階ですか」
「ここは何地方ですか」

正式名称ではない通称でも正答とみなします。

3.記憶(3点)

「今から私がいう言葉を覚えてくり返し言ってください。『さくら、ねこ、電車』はい、どうぞ」

3つの単語を1秒間隔で言った後で、受験者に繰り返してもらいます。
1語につき1点。全部答えられなくても、6回までなら繰り返すことができます。
また、ここで覚えてもらった単語は後のテストで必要になります。
最後に「今の言葉は、後で聞くので覚えておいてください」と念押ししましょう。

4.計算(5点)

「100から順番に7をくり返し引いてください」

これを5回まで繰り返します。正答1つにつき1点です。
止まってしまった場合には「それから?」と促しましょう。
どうしても出てこない場合には打ち切って次に進みます。

5.想起(3点)

「さっき私が言った3つの言葉は何でしたか」

問3で覚えてもらった単語を再度復唱してもらいます。

6.呼称(2点)

時計を見せながら 「これは何ですか?」
鉛筆を見せながら 「これは何ですか?」

時計と鉛筆を順番に見せながら名前を答えてもらいます。
この設問は健忘失語・視覚失認を確認するものであるため、身の回りのものであれば時計と鉛筆でなくても構いません。

7.読字(1点)

「今から私がいう文を覚えてくり返しいってください。『みんなで力をあわせて綱を引きます』」

口頭でゆっくりはっきり繰り返してもらいます。
1回で正確に答えられたら正答とします。

8.言語理解(3点)

「今から私がいう通りにしてください。右手にこの紙を持ってください。それを半分に折りたたんでください。そして私にください」

受験者に紙を与えた状態でスタートします。
各工程につき1点、すべてできれば3点を与えます。

9.文章理解(1点)

「この文を読んで、この通りにしてください」
mmse とは

『目を閉じてください』と書かれたテスト用紙を渡し、実際に目を閉じたら正答とします。
受験者はこの文章を音読しても黙読しても構いません。

10.文章構成(1点)

「この部分に何か文章を書いてください。どんな文章でもかまいません」
mmse とは
空欄のあるテスト用紙を渡し、意味のある文章を書けたら正答とします。
上体を表す四字熟語も正答とみなしますが、名詞のみなどの場合は誤答です。

11.図形把握(1点)

「この図形を正確にそのまま書き写してください」
mmse とは
重なった二つの五角形を書き写してもらいます。
角が合計10個あること、二つが重なっていることが正答の条件です。
手の震えや線のぶれに関しては点数に関係しません。

検査の際のポイント

MMSEを行う際には、以下の5点に注意しましょう。

  • ・質問内容を勝手にアレンジしない
  • ・受験者の体調がいい時に行う
  • ・テストや検査という言葉を用いて、受験者の不安を煽らない
  • ・正答に辿り着いてしまうヒントは与えない
  • ・10秒以上待っても答えが出なかった場合は0点とし、次の設問に進む

MMSEの評価方法

テストが終わったら、採点した合計点から認知症の疑いがあるかどうかを確認します。

30~27点 正常
26~22点 軽度認知症の疑いあり
21~ 認知症の疑いが強い

健常者が21点以下を取ることは極めて珍しいとされています。

MMSEを実施する上での注意点

MMSEは認知機能を確認するテストであるため、質問内容がとても易しいものになっています。
そのため、自分に認知症の疑いがあると受け入れられない・受け入れたくない受験者は「馬鹿にされた」と思い、怒ってしまったり真剣に答えなかったりしてしまうこともあるようです。

検査を行う際は、受験者が納得した上で理解・協力を得られるかどうかが重要になります。

「長谷川式簡易知能評価スケール」との違い

MMSEに似た検査法として、より簡素な形になった長谷川式簡易知能評価スケールというものもあります。
これは1974年、日本人の長谷川和夫さんが考案したものです。
9項目30点満点で構成されており、20点以下であれば認知症の疑いが強いとされています。

長谷川式簡易知能評価スケールに比べると、MMSEは
・国際的に広く使われている
・質問項目(動作を必要とする問題)が多く複雑
といった違いがあります。

どちらもテストの制度は変わらないため、どちらを用いるかは施設によってさまざまであるようです。

まとめ

MMSEの評価用紙は、こちらからダウンロードすることができます。
認知症専門医師 長谷川嘉哉 公式ウェブサイト

高齢社会へ向かっていくこれからの日本では、認知症患者の数もどんどん増えていくと思われます。
これからのセラピストは、「介護予防分野」において重大な役割を担っていくことになるのです。
このMMSEを利用して、より早期の発見と治療を可能にし、重症患者さんを増やさないようにしたいですね。

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