激動の療法士業界で生き残れる療法士は、「医療モデル」から「生活モデル」へシフトできた者だ

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むとうドットコム 代表、光プロジェクト株式会社 取締役。社会人経験後、作業療法士となり臨床経験5年目で老健副施設長に就任。自ら設計したひのき個浴で生活リハビリを推進、当時2割を占めた機械浴利用者をゼロにするなど、職員と力を合わせ施設の業務改善に尽力する。その後施設は地域でも一目置かれる存在に。現在は独立し、介護施設専門の業務改善アドバイザーやパソコンの修理販売の事業をするかたわら、ショッピングリハビリ®で全国展開をする企業の運営をし、多方面に活動を広げている。

武藤竜也

リハビリ職に持ってほしいのは「技術」と「危機感」

POST業界は「技術の世の中」へ突入しようとしています。
突然ですが療法士の皆さん、いつものリハビリ場面を思い返してみてください。

  • ・その治療の目的は何ですか
  • ・誰のために治療をしていますか
  • ・その治療に患者さんは満足していますか

もしかしたら、その治療の目的は「単位時間をこなすこと」が目的になっていませんか?
「患者さんや利用者さんのため」とは口では言いながら、途中で諦めたり流れ作業になっていたりして、中身の無いものになっていませんか?
そんなあなたの治療に、患者さんや利用者さんは満足していると思いますか?

我々POSTは、開業しているような柔道整復師や鍼灸師などの方々を比べてみると、非常に生易しい世界にいると感じています。
お客さんは自分たちで集めてくるわけでもないし、大した治療結果を出さなくてもそれを責められるわけでもない。
たかがPOSTというだけで、「先生」と呼ばれて大した気になっている人もいる。病院に守られているだけなのに。
果たしてそんな環境で、危機感を持って技術を磨けるPOSTがどれだけいるでしょうか。本当にそれで治療家なのでしょうか。

増えるPT・OT・ST職

皆さん、年間にPOSTがどれだけ増えているかご存知ですか?

POST有資格者数の推移
(青:PT、赤:OT、緑:ST)

このグラフが表わすとおり、PT・OTは平成10~12年あたりから急激に増えるカーブを描いており、STは国家資格化されて15年程度しか経っていないにも関わらず、PT・OTが2万人に達するのに30~40年かかっていたところを、わずか10年足らずで達成しています(※グラフの数字には国家資格化される以前の約4千人のSTも含まれます)。

どの職種もすごい伸び率になっていますよね。これはこの先、まだまだ続くでしょう。

実際、介護業界はまだまだリハビリ職を必要としていますので、これから参入するPOSTは多いでしょうが、供給が増えるにつれて療法士の治療点数や給料は昔と比べて下がっています。
これは私が養成校時代だった10年近く前からも言われていました。それが今、まさに現実となったのです。

技術を磨けないと、療法士としてのキャリアも磨けません

私は当時から危機感を抱き、それを意識しながら行動してきたので何の問題もありませんが、「へぇ~」と他人事のように聞き流してしまった方々は、今頃さぞかし慌てているかもしれませんね。

いや、療法士が増えることは全く悪いことではないのです。問題は「結果を出していない療法士が多く存在することで、療法士自体が安くみられてしまったこと」が問題なのです。今までずっと良い結果を出し続けてきていれば、安くみられることはなかったはずです。

「自分はもう就職して働いているから大丈夫」なんて決して思わないでください。新人とベテランで出せる結果が同じなら、経営者は絶対に新人を選びます。
私が一生懸命に治療技術セミナーを受けまくっていた数年前、将来のリストラに備えて治療技術を学んで頑張っている人も実際にいましたよ。
もう、そういう時代なのです。

 「医療モデル」から「生活モデル」へのシフトで、作業療法士は有利になる

国の考えるリハビリテーションモデルは、「2025年問題」や「地域包括ケアシステム」などを鑑みて、「医療モデル」から「生活モデル」へシフトし始めています。

つまり、「いかに疾患・障害を治すか」ではなく、「いかに生活を続けていけるか」

皆さん、この流れは必ず理解しておいてくださいね。
私は、我々作業療法士に有利な状況になりつつあると思っていますよ。

簡単な説明でしたが、「技術の世の中」そして「危機感」の意味が何となく分かって頂けたでしょうか。

では、POSTの技術習得とは何なのか。各職種分野の専門書を読み漁ることなのだろうか?
柔道整復師などの職種に負けないような徒手的な治療技術を身に付けることなのだろうか?

それも間違いではないですが、正解ではありません。
次回はそこについてお話させていただきます。

皆さん、よいお年を。来年もどうぞよろしくお願い致します。

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