作業療法士が意識したい、「おしゃれ」を目指すための更衣動作訓練

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私達は毎日、外出の有無にかかわらず服を着て生活しています。
服を着る理由は「体温調節のため」や「肉体を隠すため」、「自分の地位や所属を明らかにするため」などさまざまに考えられますが、現代の日本において、ただ機能的な理由のみで服を選んでいる人は少数派なのではないでしょうか。

今回の記事では、「衣服を楽しむ支援」について考えます。

身体に障害があるから、おしゃれしたくない……とはならない


冒頭の通り、人は大なり小なり、おしゃれを楽しみたい気持ちを持って服を選ぶことと思います。
その気持ちは、身体に障害を持っているクライエントも同様のはず。
しかしクライエントには、「どうせ着られない」「障害があるから無理」と決め込んでしまっている人も少なくありません。

身体に障害があると、どうしても機能性を重視して着る服を選ぶことになってしまいがちです。
クライエントの「おしゃれを楽しみたい」気持ちが叶わないつらさ・悔しさがどれほどのものか、セラピストは推し量らねばいけません。

そこでそのままおしゃれを諦めてしまうのか、「障害があってもおしゃれをしたい」と考えるかで、クライエントの人生が大きく変わるのです。

おしゃれをすることの重要性


障害があるからといっておしゃれを諦め、機能性重視の服装を選ぶのも選択肢の一つではあります。
しかしその着やすい服によって「外出したくない」「人と会いたくない」「着ていても嬉しくない」といった感情を持たせてしまうのは、望ましいことではありません。

おしゃれをするということには、絶対に無視すべきではない大切なポイントがいくつも含まれています。

  • 1.おしゃれをすることはその人自身を表現することであり、心のあり方を大きく変える働きを持つ
  • 2.「装う楽しみ」はそのまま「生きる楽しみ」のきっかけとなりえる
  • 3.クライエントの気持ちを守ることは、相手の尊厳を守ることと同義

更衣動作訓練で、作業療法士が意識したいこと


クライエントに衣服の更衣動作を指導する際、少しでも着やすいように大きいサイズの服や伸縮性のある生地のものを選ぶのは、セラピストとして稀有なことではありません。
しかしその服でクライエントが満足できていない場合、動作が出来るようになっても「出かけよう」という気持ちにはなれないのです。
それはリハビリテーションの目標である、「社会参加」への阻害因子となってしまいます。

そこで作業療法士は、以下の点に注意しておくべきだと考えます。

服のサイズで着脱の問題を解決させない

身体に対して過度に大きいサイズの服を着ると、着崩れや見た目の悪さを引き起こすことになります。
着脱に関係するのは(上衣なら)背幅とアームホールの大きさであり、サイズ全体を引き上げることではありません。
クライエントのジャストサイズの服で、更衣の課題を解決するようにしましょう。

そしてもっとも大切なのは、クライエント自身が問題点を理解し、判断出来るようになること。
本人が何をどのように着こなすのか、それが分からなければ望む形でのおしゃれには至れないのです。

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