ロコモティブシンドロームとは?原因・予防・対策

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介護・医療業界において介護予防分野が盛り上がりを見せている昨今、注目されているのが「ロコモティブシンドローム」です。
骨・筋肉・関節などの運動器が衰えて自立度が低下してしまい、要介護のリスクが高まっている状態のことを指します。

今回はこの「ロコモティブシンドローム」についてご紹介いたします。

ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドローム(運動器症候群/通称ロコモ)は、運動器(ロコモティブ)の障害により要介護になるリスクが高まっている状態のことを指します。
ロコモティブシンドローム
運動器とは骨・筋肉・関節・椎間板といった、身体を自由に動かすためのパーツのことです。
これらのいずれか、もしくは複数に障害が起こり、立つ・歩くといった機能が低下してしまっている状態です。
進行すると日常生活に支障が生じ、寝たきり・廃用症候群になってしまう場合もあります。
ロコモは健康寿命を短縮する、重大な疾患と言えるのです。

ロコモティブシンドロームの原因

運動器が障害される原因は、大きく「運動器自体の疾患」と「加齢による機能不全」に分けられます。
ロコモティブシンドローム

運動器自体の疾患

加齢に伴い、筋骨格運動器系にさまざまな疾患が現れます。
・変形性関節症、変形性脊椎症
・骨粗しょう症による猫背
・脊柱管狭窄症
・関節リウマチによる痛みや関節可動域制限、筋力低下→バランス能力、移動能力の低下
など

加齢による機能不全

加齢によって、身体機能そのものが衰えてしまいます。
・筋力低下
・持久力低下
・運動速度の低下
・深部感覚低下
・バランス能力低下
など

運動器の衰えは主に脚の筋力低下や関節の痛みから始まります。
下肢が衰えて移動が億劫になると、運動を避けて家にこもりがち。しかし身体を動かさなければ動さかないほど、ロコモを悪化させる要因となってしまうのです。

あなたは大丈夫?7つのロコチェック

ロコモは運動器疾患の予兆を放置してしまうことで重篤化してしまいます。
日々の生活で以下の項目に当てはまるものがないか、確かめてみましょう。

ロコモティブシンドローム

  • ・片脚立ちで靴下が履けない
  • ・家の中でつまずく、滑る
  • ・階段の昇降に手すりが必要
  • ・やや重い家事が困難
  • ・2kg程度(1リットルの牛乳パック2本分)の買い物を持ち帰るのが困難
  • ・15分以上続けて歩けない
  • ・横断歩道で青信号の間に渡りきれない

「ロコモ度テスト」で移動機能を把握する

チェックリストの結果からロコモを疑った場合、さらに細かいテストによって移動機能を把握しておくのがよいでしょう。
ロコモ度テストは三種類のテストで構成されており、それぞれのテストで下肢筋力・歩幅・身体の痛みや日常生活を調べることができます。

ロコモティブシンドローム

(出典:公益社団法人 日本整形外科学会「ロコモパンフレット」(2015)

1.立ち上がりテスト

10~40cmの台を用意し、高い台から順番にテストしていきます。
(1)両腕を組んで座る→反動をつけずに両脚で立ち上がる
(2)両脚で立ち上がることができたら、同じ姿勢のまま片脚で立ち上がる

40cmの台で片脚立ちができた場合は、低い台でのテストに移行し、左右どちらも片脚立ちできた一番低い台をテスト結果とします。
40cmの台で片脚立ちができなかった場合は、低い台でのテストに移行し、左右どちらも両脚立ちできた一番低い台をテスト結果とします。

2.2ステップテスト

2回行って、結果の良かった方を採用します。
(1)スタートラインを決め、両足のつま先を合わせる
(2)できる限り大股で2歩歩き、両足を揃える(バランスを崩した場合は失敗)
(3)2歩分の歩幅を計測する
(4)2歩幅(cm)÷身長(cm)で2ステップ値を算出

3.ロコモ25

ロコモティブシンドローム

(出典:公益社団法人 日本整形外科学会「ロコモパンフレット」(2015)

1か月間の生活状況に関する質問に回答します。
困難ではない=0点、ひどく困難=5点として、合計点を算出しましょう。

判定方法

以上3つのテスト結果から、以下のように判定します。

ロコモ1
・40cmの台で片脚立ちができない
・2ステップ値が1.3未満
・ロコモ25の点数が7点以上
どれか一つでも当てはまればロコモ1と判定します。

ロコモ1は移動機能の低下が始まっている状態です。
運動の習慣づけとバランスのとれた食事を摂るように注意する必要があります。

ロコモ2
・20cmの台で両脚立ちができない
・2ステップ値が1.1未満
・ロコモ25の点数が16点以上

ロコモ2は移動機能の低下が進行している状態です。
自立した生活が困難となるリスクが高まっています。
特に強い痛みがある場合は運動器疾患が発症している可能性もあるため、整形外科医への受診が推奨されます。

ロコモティブシンドロームの予防・対策

ロコモを悪化させないためには、少しずつでも継続した運動の習慣づけと、栄養バランスのとれた食事が必要となります。

ロコトレ

ロコモティブシンドローム
ロコモ―ショントレーニングと呼ばれる、2種類の軽い運動です。
毎日の日課にして、健康な足腰を手に入れましょう。

片脚立ち

バランス能力を鍛えるための運動です。
左右1分間ずつ、一日3回行うのがよいでしょう。
掴まるものがすぐそばにある状態で、床につかない程度に足を上げます。

スクワット

下肢筋力を鍛えるための運動です。
深呼吸のペースで5~6回を1セットとして行います。一日3セット行いましょう。

そのほかヒールレイズ(ふくらはぎの筋肉を鍛える、つま先立ちの運動)やフロントランジ(下肢の柔軟性を鍛える、踏み出して腰を下げるストレッチ)も加えながら、無理をしない範囲の運動を続けていきます。
軽い体操やストレッチ、腰痛体操のほか、日常生活で「徒歩移動」を心がけることでも効果があります。
さまざまな運動がロコモ対策となるのです。

ロコモ対策の食生活

ロコモティブシンドローム
ロコモ対策のためには、正しい食生活によって運動器の健康を守る必要があります。
痩せすぎていても太りすぎていても(=メタボリックシンドローム)、運動器を衰えさせてしまう要因となるからです。

正しい食生活とは、5大栄養素(炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル)を一日三食できちんと摂取できることを指します。
料理は大きく分けて、以下の三つに分類されます。

  • 主食:白米やパン(炭水化物)
  • 主菜:肉や魚などメインのおかず(たんぱく質)
  • 副菜:サラダなどつけあわせのおかず(ビタミン・ミネラル)

これに乳製品や果物などもつけて、一日の食事で5大栄養素を摂れるように心がけましょう。
特にカツオや鶏肉など、筋肉を作る食材を主菜に選ぶといいですね。

まとめ

ロコモティブシンドローム
身体を動かすのが億劫になってきたから家にこもりがちになる、ベッドから出なくなる……こうした行動によってますます身体機能が低下し、寝たきりになったり廃用症候群を発症したりする高齢者の方が多くいます。
衰え始めたからこそ、毎日こつこつ運動することが大切です。
身体は使えば使うほどに活性化します。
ロコモティブシンドロームを重篤化させないためにも、毎日の運動と食事を見直してみてくださいね!

編集部より

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