【ブルンストロームステージ】片麻痺の評価段階を徹底解説!

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日本のリハビリ分野では多用されている「ブルンストローム・ステージ」、リハビリ職の皆さんならご存知ですよね。
ブルンストローム・ステージは脳卒中による片麻痺の回復過程を6段階の順序に分けて判断するもの。
スウェーデンの理学療法士シグネ・ブルンストロームが考案した評価方法で、ブルンストローム・リカバリー・ステージとも呼ばれています。
理学療法士・作業療法士の国家試験にも出題されています。
参考:理学療法士国家試験・作業療法士 国家試験対策 WEBで合格!

今回はこの「ブルンストローム・ステージ」について振り返ってみましょう。

ブルンストローム・ステージの目的

ブルンストローム・ステージは、中枢神経疾患を持つ患者さんの片麻痺について評価するものです。
運動機能評価として連合運動や共同運動からの分離の度合を測定し、それによって麻痺からの回復過程を評価します。
麻痺を持つ患者さんを検査・評価する際に見るのは、筋力の有無ではなく「筋出力の質」。
筋力がどれほどあるかではなく、どれだけ筋肉を自由に動かせるかを意識しましょう。

徒手筋力テスト(MMT)としばし混同されることもあるようですが、MMTは筋出力の量を調べるもの。
患者さんの病態や状況に応じて、適宜使い分けていきましょう。

ブルンストローム・ステージの回復ステージ

ブルンストローム・ステージでは麻痺の程度を1~6の6段階で表し、ローマ数字で表記します。
ブルンストロームステージ

【ブルンストローム・ステージの回復段階】
ステージ 状態 詳細
stage Ⅰ 完全麻痺(弛緩性麻痺) 脳卒中初期に見られる、筋肉が緩んでしまっている状態です。
患者さんは、自分で麻痺の部位を動かすことが出来ません。
stage Ⅱ 連合反応の出現 連合反応が誘発されるようになります。
あくびやくしゃみをした拍子に腕や指が曲がったり、足が伸びてしまうなど……
身体の一部を強く働かせることによって、麻痺部位にも筋収縮や運動が起こります。
stage Ⅲ 共同運動パターンの出現 共同運動とは、個々の筋肉だけを動かすことが出来ず、付随する筋肉まで一緒に動いてしまう現象を指します。
そのため、一定のパターン以外の運動が出来なくなってしまうのです。
共同運動には手足が屈曲する屈筋共同運動と、手足が伸展する伸筋共同運動の2パターンがあります。
stage Ⅳ 分離運動の出現 個々の関節が少しずつ分離して動くようになります。
stage Ⅴ 分離運動の進行 共同運動や痙性の出現が弱まり、より多くの分離運動が可能になります。
stage Ⅵ 正常に近付く 共同運動・痙性の影響がほぼなくなり、運動の協調性や速度も正常化します。
ぎこちなさは多少残るものの、個々の関節も自由に動かせるようになります。

ただし、これはあくまでリハビリがあってこその回復段階。
放っておいたら自然とステージが上がっている……というようなことはなく、むしろより悪化してしまうこともあります。
ぜひ積極的な訓練をしていきましょう。

上肢のブルンストローム・ステージ

それでは、各部位ごとに回復ステージとその検査方法について見ていきます。
上肢は主に肩・肘の動きを見ます。

stage Ⅰ

ブルンストロームステージ

状態
弛緩性麻痺。随意運動がありません。
運動テスト
健側の肘関節進展運動に徒手抵抗を加え、麻痺側の大胸筋に収縮があるかを確かめます。
収縮がなければstage Ⅰ、収縮があれば連合反応とみなしてstage Ⅱと評価します。

stage Ⅱ

ブルンストロームステージ

状態
共同運動・痙縮の発現期となります。わずかな随意運動があります。
運動テスト
運動テスト:麻痺側の腕を反対側の腰まで伸ばすように指示します。
動かなくても、わずかな随意運動が見られればstage Ⅱです。

stage Ⅲ

ブルンストロームステージ

状態
随意的な共同運動が見られ、痙縮が最強となります。
運動テスト
肩・肘の同時伸展および同時屈曲をチェックします。
2つの検査方法のうち不可能を0点・不十分を1点・十分を2点として、その合計点で細かく評価するとよいですね。
・伸展共同運動:麻痺側の腕を反対側の腰まで伸ばす
臍下まで伸ばせていれば十分、乳頭下までなら不十分、乳頭上なら不可です。
・屈筋共同運動:麻痺側の腕を反対側の腰から同側の耳まで曲げる
乳頭上まで曲げられれば十分、臍上までなら不十分、臍下なら不可です。
それぞれの検査でどの程度伸展・屈曲できているかを確かめましょう。

stage Ⅳ

ブルンストロームステージ

状態
痙縮が減少し始め、共同運動から分離した随意的な運動が見られます。
運動テスト
stage Ⅳの検査方法は3つありますが、そのうちいくつ出来たかでⅣ-1かⅣ-2かを評価します。
・肩関節内旋:麻痺側の腕を背中に回す
体幹を動かさずに脊柱より5cm以上回せれば十分です。
・肩関節屈曲(90度まで):麻痺側の肩関節を屈曲させる
肘関節の屈曲を20度以内にした状態で、腕を前方へ60度~水平に挙上出来れば十分です。
・前腕回内:麻痺側の肘関節を90度曲げた状態で、前腕を内側に回す
肘を身体につけたまま、50度以上回内出来れば十分です。

stage Ⅴ

ブルンストロームステージ

状態
共同運動から脱した動きが可能になります。痙縮も減少しています。
運動テスト
stage Ⅴの検査は3つあります。いくつ出来たかによってⅤ-1、Ⅴ-2、Ⅴ-3と細かい評価をします。
・肩関節外転:麻痺側の肩関節を外旋させる
麻痺側の腕を伸展させたまま、横に60度以上水平に挙上出来れば十分です。
・肩関節屈曲(180度まで):麻痺側の肩関節を屈曲させる
麻痺側の腕を進展させたまま、130度以上挙上出来れば十分です。
・前腕回外:麻痺側の前腕を回外させる
腕を前方へ水平に出した状態で、50度以上前腕を内外へ回せれば十分です。

stage Ⅵ

ブルンストロームステージ

状態
分離運動が自由に出来るようになります。
運動テスト
2つある検査のうち、どちらか一つでも出来ればstage Ⅵとします。
・肩関節挙上テスト:麻痺側の手先を肩につけて真上に挙げる運動を10回繰り返す
非麻痺側も同様の運動をして所要時間を計測します。麻痺側の所要時間が非麻痺側の1.5倍以内であれば十分です。
・肩関節外転テスト:麻痺側の腕へ水平に挙げる往復運動を10回繰り返す
非麻痺側も同様の運動をして所要時間を計測します。麻痺側の所要時間が非麻痺側の1.5倍以内であれば十分です。

手指のブルンストローム・ステージ

手指の回復ステージと検査方法は以下の通りです。

stage Ⅰ

状態
弛緩性麻痺がみられます。
運動テスト
健側の手に握力計を握らせた際の、麻痺側の手指の屈曲を確認します。
屈曲が出現しなければstage Ⅰです。

stage Ⅱ

状態
指を随意的に、少しだけ曲げることが出来ます。
運動テスト
健側の手に握力計を握らせた際の、麻痺側の手指の屈曲を確認します。
連合反応として屈曲が出現すればstage Ⅱです。

stage Ⅲ

ブルンストロームステージ

状態
指を全部曲げて握ることが可能ですが、離すことは出来ません。
随意的な伸展は出来ませんが、反射での伸展であれば可能なこともあります。
運動テスト
2つある検査のうち、不可能0点・不十分1点・十分2点として合計点を出します。
それに応じてstage Ⅲかどうかを判断しましょう。
・集団屈曲運動:麻痺側の手関節を中間位にした状態で、伸展した手指を屈曲する
・集団伸展運動:麻痺側の手関節を中間位にした状態で、屈曲した手指を伸展する
どちらの検査も、健側のROMに比べて3/4以上できていれば十分です。
全部の指が揃わない場合は、全手指のMP関節とIP関節を足して平均を出しましょう。

stage Ⅳ

ブルンストロームステージ

状態
横つまみや、随意的な進展が可能になります。
運動テスト
2つある検査のうち、どちらもできるか・片方だけできないかなどでstage Ⅳの度合いを測りましょう。
・手関節背屈:肘を机について手を浮かせる
手関節を健側の3/4以上背屈できれば十分です。
・示指伸展:他の指を屈曲させたまま、人差し指だけを伸展させる
3/4以上伸展させられれば十分です。

stage Ⅴ

ブルンストロームステージ

状態
円筒や球体を握ることが出来ます。指の集団伸展も可能になります。
運動テスト
3つある検査のうち、いくつ出来るかで度合いを判断します。
・IP関節伸展:すべての指・節間関節を屈曲させる
・示指伸展:手関節を背屈させたまま、人差し指だけ伸展させる
・小指伸展:手関節を背屈させたまま、小指だけ伸展させる
いずれも健側と比較して3/4以上できれば十分です。

stage Ⅵ

ブルンストロームステージ

状態
健側に比べると稚拙ではありますが、すべての指を握ったり伸ばしたりすることが出来ます
運動テスト
親指と人差し指で鉛筆をつまみあげて降ろす運動を5回行います。
8秒以内、もしくは健側より早くできた場合はstage Ⅵです。

下肢のブルンストローム・ステージ

下肢の回復ステージと検査方法は以下の通りです。

stage Ⅰ

ブルンストロームステージ

状態
弛緩性麻痺。随意運動はありません。
運動テスト
健側の股関節内転運動に徒手抵抗を加えた際、麻痺側の内転筋に収縮が現れるかを触診します。
収縮がなければstage Ⅰです。収縮があればstage Ⅱ以上となります。

stage Ⅱ

ブルンストロームステージ

状態
下肢にわずかな随意運動が見られます。
運動テスト
麻痺側の股関節内転運動を指示します。
少しでも随意運動が見られればstage Ⅱです。

stage Ⅲ

ブルンストロームステージ

状態
座位や立位での股・膝・足の同時屈曲が可能になります。
運動テスト
2つある検査のうち、不可能0点・不十分1点・十分2点として合計点を出します。
それに応じてstage Ⅲかどうかを判断しましょう。
・伸筋共同運動:仰向けに寝た状態で、90度に曲げた麻痺側の膝関節を伸ばす
20度以下まで伸展できれば十分です。20度以上は不十分、運動できなければ不可と判断します。
・屈筋共同運動:仰向けに寝た状態で、麻痺側の脚を伸展した状態から曲げる
90度以上屈曲させることができれば十分です。90度未満は不十分、運動できなければ不可と判断します。

stage Ⅳ

ブルンストロームステージ

状態
座位で膝を直角に曲げられるようになります。随意的な足関節の背屈も見られます。
運動テスト
3つある検査のうち、いくつ出来るかで度合いを判断します。
・下肢伸展位挙上(SLR):仰向けで寝たまま、伸ばした脚を挙上する
30度以上上がれば十分です。
・膝関節屈曲:座位で膝関節を曲げる
100度以上曲げられれば十分です。
・足関節背屈:座位で足関節を背屈する
5度以上背屈させられれば十分です。

stage Ⅴ

ブルンストロームステージ

状態
立位での膝関節の屈曲・足関節の背屈が可能になります。
運動テスト
3つある検査のうち、いくつ出来るかで度合いを判断します。
・足関節背屈(臥位):寝転んだ状態で脚を伸ばし、麻痺側の足関節を背屈する
5度以上背屈させられれば十分です。
・足関節背屈(座位):座位で膝関節を進展させたまま、足関節を背屈する
5度以上背屈させられれば十分です。
・股関節内旋:座位で股関節を内旋させる
20度以上内旋させられれば十分です。

stage Ⅵ

ブルンストロームステージ

状態
立位での股関節外転、座位での下腿の内旋・外旋が可能になります。
運動テスト
座位での股関節内旋運動を10回行う際に必要とする時間が、健側の1.5倍以内であれば十分です。

まとめ

脳卒中患者は年々増加傾向にあります。今後、片麻痺の患者さんを担当する機会も増えていくことでしょう。
その際に、ブルンストローム・ステージの評価は必ず役に立つはず。
患者さんの痛みや関節の可動域も考慮しつつ、的確に評価してリハビリを行っていきましょう!

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