応急処置の基本!「RICE処置」について

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捻挫や突き指、肉離れなど……スポーツ中の怪我は、誰もが受ける可能性のあるものです。
本来ならすぐ治るようなスポーツ外傷でも、放置すると長引いてしまうこともあります。
受傷直後に適切な応急処置が出来ていたかどうかで、その後の復帰にかかる期間は左右されるのです。

スポーツ外傷をはじめとした急性期の怪我には、障害を最小限に抑えるための応急処置――RICE処置が必要です。
今回は受傷してすぐにやっておくべき、「RICE処置」についてご紹介します。

RICE処置とは?

応急処置とは急性期の怪我に対して、医療機関にかかる前に行うべき治療の第一段階です。
RICE処置は、その応急処置の中でも代表的なものを指します。

「RICE」とは、応急処置に必要な4要素(Rest/Ice/Compression/Elevaition)の頭文字を取った名称のこと。
スポーツ現場で特に起こりやすい、打撲や捻挫などの怪我に対応できます。
もちろんスポーツ以外にも、炎症を伴う急性期の怪我であれば応用することが可能。
使える部位も足関節が代表的ではありますが、怪我をした際には全身どこでも行うのが望ましいです。

※ただし脱臼や骨折が明らかであったり、大量出血・意識消失などが見られる重症の場合は、すぐに医師や救急車を呼ぶようにしましょう。
むやみに触ったり、動かしたりすることは厳禁です。

rice処置

R…Rest(安静)

怪我をしたらただちにスポーツ活動を停止し、患部に負担がかからない姿勢で固定しましょう。
損傷した部位をそのまま動かしてしまうと、受傷直後から始まる身体の修復作業を妨げて治りを遅くするばかりか、患部の腫脹や血管・神経損傷を起こして怪我を悪化させることにもなります。
テーピングなどを用いて固定し、まず安静にすることが重要です。

I…Ice(冷却)

次に行うのは、患部の炎症や腫れをコントロールするために冷やすこと。
患部を冷やすことで血管を収縮させ、内出血や炎症・腫れをコントロールするほか、痛みを緩和させることが出来ます。
ビニール袋に氷を詰めたり、氷嚢を用いたりして患部に当てていきましょう。
初めは痺れるような痛みが出ますが、15~20分ほどで感覚がなくなります。
そうなったら一度冷やすのをやめて、痛みが出たらまた冷却を再開します。これを24~48時間ほど続けます。

冷やしすぎると凍傷を起こす恐れがあるため、アイシングの際は冷却材をそのまま当てずに、タオルで包むなどの配慮が必要です。
また、冷やす時間も長くとりすぎないようにしましょう。ひたすら冷やす、はNGです。

C…Compression(圧迫)

患部を適度に圧迫することで、腫れや炎症、出血をコントロールすることが出来ます。
弾性包帯やテーピングを圧迫しながら巻いていきましょう。アイシングの前や、氷を固定する際に同時に行うこともあります。
足関節の捻挫や膝の靭帯損傷、ふくらはぎの肉離れでは、バンテージを使用するのが効果的です。

圧迫の際は、

  • ・患部の下から行う
  • ・心臓の方向に螺旋状に巻く
  • ・患部は少しきつめにする

といったポイントを押さえるとよいでしょう。

圧迫が強すぎると、患部が腫れてきた際に内圧が高まって症状が悪化したり、血流障害を起こしたりすることがあります。
圧迫している部位の先端(指先や爪先)は、皮膚の色や温度・感覚などをこまめにチェックしましょう。
末端が青っぽくなって痺れが出ている場合は、一度圧迫を緩める必要があります。

E…Elevaition(挙上)

患部を心臓より高い位置に保つことで内出血を防ぎ、痛みを緩和させることが出来ます。

患部を高い位置に置くことは、炎症を最大限抑えるための重要なポイント。
血液は重力で下に下がるため、内出血や腫脹は末梢にも及びがちです。
しかし人間の指先・足先には筋肉が少ないため、そこに内出血などが広がると吸収が遅れてしまいます。
結果、患部の炎症・腫脹を増大させてしまうからのです。

椅子や台・クッションや枕など、手頃な高さのものに患部を乗せておくといいですね。
特に下肢の損傷は、就寝時などに患部を高くして1~3日ほど拳上するのがよいでしょう。

RICE処置の目的

rice処置
RICE処置の最大の目的は早期回復です。
怪我をしてからどれだけ早く回復出来るかは、受傷直後から腫れや炎症をどれだけ抑えられるかにかかっています。
腫れは治癒の初期の過程で必要なものですが、それが悪化すると治癒を遅らせることになるので、必要最低限にコントロールすることが重要になります。

また、それぞれの段階においても明確な目的が設定されています。

Rest(安静)

1.受傷した患者を精神的に安静させる

怪我が起きてしまった場合、それがどの程度のものか見極める必要があります。
しかし患者が怪我をしたことに対するパニックを起こしていたり、試合中の興奮状態にあったり、あるいは周囲が騒ぐことで不安を煽られたりすると、正確な痛みや腫れの度合いを確認することが出来ません。
まずは受傷者が落ち着けるよう、環境を整えることが重要です。

2.患部を安静にさせる

前項の通り、損傷した部位をそのまま動かしてしまうことは完全な悪手です。
怪我をした状態とは、すなわち組織が破壊されている状態のこと。無理をせず安静にしましょう。

Ice(冷却)

1.痛みを抑える

患部を冷やすと神経が鈍るため、痛覚を抑えることが出来ます。
痛みが軽減されることで患部が落ち着き、選手自身も平静を取り戻すことが可能になります。
ちなみに湿布薬では冷却効果がほとんどありませんので注意しましょう。

2.腫れを最小限に抑える

冷却によって血管が収縮し、腫れを最小限に抑えることが出来ます。
不必要な腫れは復帰を大幅に遅らせてしまうため、早い段階でコントロールしておきましょう。

Compression(圧迫)

腫れを最小限に抑えることが目的となります。
患部全体に圧迫をかけることで、血管を収縮させることが可能です。「腫れを抑える」にはアイシングよりも効果を期待出来ます。

Elevaition(挙上)

圧迫と同じく、腫れを最小限に抑えることが目的となります。
患部を心臓より高い位置に挙上させて腫れが患部に滞らないようにするのと、壊れた組織が血流に乗って、より早く体外へ排出されるように促します。

RICE処置に必要なもの

rice処置
主にIce(冷却)で使用する道具をご紹介します。

【Ice(冷却)】
道具 使用方法 メリット デメリット
氷・保冷材 氷は砕いてビニール袋に詰める
凍らせた保冷材は凍傷予防にガーゼなどで包む
熱伝導が早く、冷却効果が高い 屋外で長時間保存が出来ない
準備が難しい
アイスマッサージ 小さいコップに水を入れて凍らせる 熱伝導が早く、冷却効果が高い 屋外での使用に不向き
クリッカー 塩と氷を入れて振る 少量の氷で使用できるため便利
持ち運びが楽
高価

あとは先述の通り、圧迫には包帯やテーピング。
挙上のためにはクッションや台といったものの用意があるとよいでしょう。

RICE処置でよくある間違い

rice処置
RICE処置の中では特に重要視されている「冷却」ですが、実はずっと冷やしていればいいというわけではありません。

損傷した人体の組織は、血液が酸素や栄養を運んでくることによって再生します。
ゆえに患部に血液が集まって熱を持つのは、自然治癒の過程。
より速い治癒を望むのであれば、患部を温めて血流を促進するのが望ましいのです。

しかし受傷直後の患部を温めることは、痛みや腫れを増進させてしまう原因になります。
RICE処置で冷却が挙がっているのは、苦痛を抑えたり、痛みによる更なる緊張や二次的損傷を防ぐためなのです。

RICE処置で患部をひとしきり冷やした後には、今度は治癒を早めるために患部を温めることも意識しましょう。

編集部より

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