【完全網羅】FIM(機能的自立度評価表)の評価項目とは?

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FIM(機能的自立度評価表)とは、患者さんのADLを評価するための方法の一つ。
生活を営んでいくために必要な最小限の能力を把握するために、運動と認知に関する全18項目を、介助量に応じた7段階で評価します。
ADL評価法の中ではもっとも妥当性があり、信頼性があるとされているものです。

ADLとは:普段の生活で行っている基本的な行動のこと。
日常生活動作と訳され、食事や着替え・移動・排泄・入浴など、生活を営む上で欠かせない最低限の動作を指します。

どのような疾患にも適応できるほか、看護師など、リハビリ職以外でも評価が可能です。
今回はそんな「FIM(機能的自立度評価表)の評価」について、基本に立ち返ってまとめてみました!

FIMの特徴

fim 評価
FIMの特徴は大まかに以下の通りです。
これは理学療法士・作業療法士になるための国家試験でも、試験に出題されうる必要な要点ですね。

  • 1.大項目6つ、小項目18個が評価対象
  • 2.行っているADLについて、介助の有無で大別して7段階評価する
  • 3.126点満点(全項目満点=完全自立)で、最低点は18点(全項目1点=全介助)
  • 4.順序尺度(数字の大小のみで判断する)
  • 5.補装具を使っても自立(修正自立)とみなす
  • 6.能力定価を評価する
  • 7.ADLは上半身と下半身に分けて評価する
  • 8.コミュニケーションや社会的認知を評価する


特に「認知に関する評価を行う」という点が、FIMの最大の特徴といえます。

採点基準は?

FIMにおける採点基準は、以下のようになっています。

得点 対象者が行う範囲 介助量
7 100%(完全自立) 介助の必要なし
6 100%(修正自立) 補助具を使用したり時間がかかったりする
5 100%(監視・介助) 監視や準備が必要
4 75~100%未満(最小介助) 0~25%未満
3 50~75%未満(中等度介護) 25~50%未満
2 25~50%未満(最大介助) 50~75%未満
1 0~25%(全介助) 75~100%

どのような評価項目がある?

FIMの評価項目は、運動項目4つ・認知項目2つで構成されています。
それぞれにどのような小項目があるのか、具体的な評価例も含めて見ていきましょう。

運動項目

運動項目には、セルフケア・排泄コントロール・移乗・移動の4項目があります。

セルフケア

fim 評価

食事
口に運ぶ・かき集める・飲み込むところから、咀嚼・嚥下までを採点します。
配膳・下膳の動作は評価の対象になりません。

  • 7点→すべての性状の食事を自分一人で口に運び、咀嚼・嚥下出来る
  • 6点→自助具・嚥下食が必要だったり、胃ろうを自分で管理している
  • 5点→配膳後にとろみをつけるなど、準備や見守りが必要
  • 4点→口の中に食べ物が溜まっていないか、介助者が指で確認する
  • 3点→介助者が自助具をつけたり、スプーンに食べ物を乗せる
  • 2点→口に運ぶまでの動作すべてに介助が必要だが、多少の協力がある
  • 1点→咀嚼・嚥下は出来るが口に運べない、胃ろうを介助者が管理している
整容
口腔ケア・洗顔・手洗い・整髪・化粧/髭剃りの5項目を採点し、平均点を出します。

  • 7点→5項目を準備含めてすべて一人で出来る
  • 6点→電動歯ブラシを使用する
  • 5点→化粧品のふたを開けるなど、用具準備に介助が必要
  • 4点→後ろ髪だけ梳く、石鹸をつけるなど、5項目すべてに最小介助がいる
  • 3点→顔の洗い残しがある、非麻痺側の奥歯が自分で磨けない
  • 2点→前歯だけしか磨けないなど、5項目すべてに半分以上の介助が必要
  • 1点→すべての整容を介助者に任せている
  • ※4点以下は、5項目のうち何項目出来たか・どの程度出来たかを総合した平均になります。

清拭
入浴時の身体を洗う・拭く動作を採点します。
10か所に分けられた身体の部位(胸・両腕・腹・両腿・両脚・股・尻)のうち、何か所洗えたかで評価します。

  • 7点→自分で身体を洗える
  • 6点→柄付きスポンジを自分で使用出来る
  • 5点→特殊な入浴道具の準備が必要
  • 4点→10か所の身体の部位のうち、8~9か所を自分で洗える
  • 3点→10か所の身体の部位のうち、5~7か所を自分で洗える
  • 2点→10か所の身体の部位のうち、3~4か所を自分で洗える
  • 1点→10か所の身体の部位のうち、0~2か所を自分で洗える
更衣
上半身・下半身でそれぞれ服の着脱を評価します。義肢装具を使用している場合はそれも含みます。

  • 7点→病院の外まで来て行ける服を一人で着られる
  • 6点→自分で着替えられるが3倍以上時間がかかる
  • 5点→服を出してもらったり、指示や装具装着の介助が必要
  • 4点→片袖や片脚だけ介助者が手伝うなど、少しの介助が必要
  • 3点→袖は通せるが被る・下ろす動作が出来ない
  • 2点→健側の袖は通せる、膝まで履かされたズボンを上げられる
  • 1点→着替えの際、前傾姿勢を取るだけ
トイレ動作
衣服の着脱やお尻を拭く動作で評価します。

  • 7点→自分で服を脱いでお尻を拭き、また服を着られる
  • 6点→尿気を使ってはいるが失敗しない
  • 5点→トイレットペーパーの用意や夜間の監視が必要
  • 4点→拭く・服を着る際に支えがいる
  • 3点→服を脱いで拭くところまでは出来る
  • 2点→脱ぐ・拭く・着るのうちどれか一つは自力で出来る
  • 1点→オムツ交換をすべて任せている

排泄コントロール

fim 評価

排尿管理
タイミングよく括約筋を緩められるかを評価します。失敗の頻度で点数が変わりますが、ここでの失敗は失禁ではなく、汚したものを片付ける手間のことを指します。

  • 7点→自尿で失禁なく自立している、人工透析で自尿がない
  • 6点→尿器を使用しているが、準備や片付けは自立している
  • 5点→尿捨てなどを介助する。排尿介助は週一回以下
  • 4点→夜間に尿器を当てるなどの、排尿介助が週2~6回
  • 3点→排尿回数と介助回数が同じ
  • 2点→濡れたオムツを交換するよう頼める
  • 1点→オムツ交換を頼めない
排便管理
タイミングよく括約筋を緩められるかを評価します。汚したものの片づけをどれだけ手伝えるか、も判断のポイントです。

  • 7点→自然排便で介助なし、座薬も自分で扱える
  • 6点→下剤などの内服薬を使って排便が自立している
  • 5点→月に3~5回座薬を使用する
  • 4点→座薬を挿入してもらい、自分で排便する
  • 3点→自分で排便する回数と、腹圧介助や摘便介助をしてもらう回数が同じ
  • 2点→失便を報告できる、浣腸にも協力する
  • 1点→失便を報告出来ず、すべて任せている

移乗

fim 評価

ベッド・椅子・車いす
ベッド・椅子・車いす間でのすべての往復の移乗で評価します。歩行が移動手段である場合は起立動作も含まれます。

  • 7点→自力で移乗出来る
  • 6点→手すりを使って自力で移乗出来る
  • 5点→車いすの位置変えなど準備が必要
  • 4点→介助者が念のため、対象者に触れている
  • 3点→軽く引き上げる介助が必要
  • 2点→身体をしっかり引き上げ、回転させてもらう
  • 1点→二人がかりで介助する
トイレ
便器への移乗を往復で評価します。

  • 7点→自力で移乗出来る
  • 6点→ポータブルトイレで移乗が自立している
  • 5点→見守りが必要
  • 4点→念のために介助者が対象者に触れている
  • 3点→座るのを少し助けてもらう
  • 2点→しっかり引き上げる介助が必要
  • 1点→差し込み便器を使用し、移乗を行わない
浴槽・シャワー
浴室への出入りが評価されます。浴槽なら中に入って出るまで、シャワーならシャワー椅子への移乗で判断します。

  • 7点→一人で安全に出入り出来る
  • 6点→手すりや補助具を用意してもらえれば一人で移乗出来る
  • 5点→指示出しなどの見守りが必要
  • 4点→浴槽へ足を跨がせる介助が必要
  • 3点→軽く引き上げたり、両足を浴槽へ入れる介助がいる
  • 2点→出入りにあたってしっかり引き上げてもらう
  • 1点→二人がかりでの介助が必要

移動

fim 評価

歩行・車いす
立位なら歩行、座位なら車いすでの移動で評価します。入院時と退院時の移動手段をチェックしましょう。

  • 7点→50メートル(社会生活で必要な最低距離)移動出来る
  • 6点→義足や杖を用いて、50メートル移動出来る
  • 5点→見守りや指示を受けながら、50メートル移動出来る
  • 4点→手を添える程度の介助で、50メートル移動出来る
  • 3点→しっかり支えてもらいながら、50メートル移動出来る
  • 2点→どれほど介助しても15メートルしか移動出来ない
  • 1点→どれほど介助しても15メートル未満しか移動出来ない

※15メートル=屋内生活で必要な最低距離

階段
屋内の12~14段の階段で評価します。昇降で結果に差が出る場合は低い方で判断します。

  • 7点→介助を必要とせず12~14段昇降出来る
  • 6点→用具を使用して12~14段昇降出来る
  • 5点→見守りの下12~14段、自立して4~6段の昇降が出来る
  • 4点→手を添える程度の介助で12~14段昇降出来る
  • 3点→身体を引き上げる介助で12~14段昇降出来る
  • 2点→介助の下4~6段昇降する
  • 1点→4~6段の昇降が困難

認知項目

認知項目には「コミュニケーション」と「社会認知」があります。

コミュニケーション

fim 評価

理解
視覚・聴覚からの情報を、どういった方法でどの程度理解するかを評価します。

  • 7点→複雑・抽象的な内容でも介助なしで理解出来る
  • 6点→難聴ではあるが、補助具を用いて理解出来る
  • 5点→食事などの基本的な欲求に関しては理解出来る
  • 4点→基本的欲求に関して、指示を受けつつ90%理解する
  • 3点→短い言葉の強調によって、75%ほど理解する
  • 2点→短い質問やはい・いいえで回答する質問を理解する
  • 1点→難聴により、非常に大きな声が毎回必要
表出
はっきりとした音声・書字・手話で、自分の思いをどの程度相手に伝えられるかを評価します。

  • 7点→複雑・抽象的な内容でも介助なしで出来る
  • 6点→構音障害はあるが、言葉を用いるのにストレスがない
  • 5点→基本的欲求に関しては表出出来る
  • 4点→「塩を取ってください」など、短い文章で表出する
  • 3点→「それください」など、短い句で表出する
  • 2点→「おしっこ」などの単語、ジェスチャーで表出する
  • 1点→ほとんど表出出来ない

社会認知

fim 評価

社会的交流
周囲と関わる際の行為・動作をすべて評価します。

  • 7点→一人で適切に交流出来る
  • 6点→時間がかかったり精神役を服用しているが、交流に問題がない
  • 5点→指示や言葉による激励があれば、交流の場に参加出来る
  • 4点→慣れていないと自分から交流しようとせず、気が散る
  • 3点→汚い言葉を使うが頻度は少ない
  • 2点→しばしばスタッフに非協力的な態度や汚い言葉を向ける
  • 1点→夜間せん妄で同室者が眠れない
問題解決
日常生活で起こりうる金銭的・社会的・個人的な問題について、合理的な対応が出来るかを評価します。人の手を借りることが正しい判断である場合、それは介助とみなしません。

  • 7点→助言を必要とせず、自分で判断出来る
  • 6点→通常よりも時間がかかるが、介助を必要とせず判断する
  • 5点→複雑な問題は対応出来ないが、日常の問題は90%正しく判断出来る
  • 4点→75%は正しい判断が出来る
  • 3点→50%は正しい判断が出来る
  • 2点→電話のかけ方が分からないなど、50%以上介助を必要とする
  • 1点→ほとんど正しい判断が出来ない
記憶
日常的に行うことを覚えている・よく会う人が分かる・他者からの依頼を実行することの3ポイントから評価します。

  • 7点→介助不要で自立している
  • 6点→ノートなどを用いながら記憶している
  • 5点→何かを思い出すのに、介助者に促される必要がある
  • 4点→よく会う人を認識し日課も思い出せるが、依頼に従えるのは簡単なものである
  • 3点→3ポイントのうちどれか2つが出来ている
  • 2点→3ポイントのうちどれか1つが出来ている
  • 1点→3ポイントすべてに介助が必要

FIMでの評価を行う目的・利点

fim 評価

    FIMの評価は、「対象者の自立度と介護量」を把握するために行われます。
    リハビリ職に限らず使用することができるので、多職種との情報共有も正確かつスムーズです。

    FIMを用いたADLの評価は、以下のような利点があります。

  • ・アプローチ方法などを含め、治療計画の立案から治療の効果判定まで行える
  • ・予後予測の指標になり、家族にも分かりやすく説明出来る
  • ・日常生活動作の項目を短時間で把握出来る

まとめ

FIMの評価用紙は、こちらのサイトからダウンロードすることが出来ます!→リハビリ評価表_FIM (評価用紙)テンプレートサンプル
周りの新人さんや他職種の方にもばっちり分かりやすく教えられるよう、初心に帰ってFIMをもう一度見直してみてくださいね!

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