自己研鑽には欠かせない!「認定言語聴覚士」の資格のはなし

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言語聴覚士の上位資格である「認定言語聴覚士」をご存知ですか?
具体的にどんな資格なのか?資格取得のためにはどうすればいいのか?取得することでどんなメリットがあるのか?
……疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんな「認定言語聴覚士」について詳しく解説いたします!

認定言語聴覚士とは?

認定言語聴覚士
認定言語聴覚士は、摂食・嚥下障害に対するリハビリを誰もが身近なところで受けられるようにというニーズに応えるために生まれた資格です。

現在では全体の7割以上の言語聴覚士が、摂食・嚥下障害のリハビリに携わっています。
しかし摂食・嚥下障害の訓練や講義を受けていない言語聴覚士や、経験の浅い言語聴覚士が多いため、質の高いサービスを提供出来ていないのが実情でした。社会的ニーズは高いものの、それに答えられる十分な供給がなかったのです。
そこで摂食・嚥下障害に特化した高度な知識・技術を持つ言語聴覚士の養成のため、日本言語聴覚士協会が平成20年度から始めました。
協会の中では、初めて設定された認定資格制度になります。

2016年現在では、摂食・嚥下障害領域、失語・高次脳機能障害領域、言語発達障害領域の3つの領域に関するものがあります。

認定言語聴覚士になるには

認定言語聴覚士になるためには、協会の定めた認定言語聴覚士プログラムを受講し、最終日の試験に合格する必要があります。

講習会の受講資格

講習会を受けられるのは、以下の条件を満たすものになります。

1.言語聴覚士としての臨床経験が6年以上ある

かつ、協会へ年会費を納入していることが条件です。

2.生涯学習プログラムを修了している

生涯学習プログラムは言語聴覚士のスキルアップと学習の継続を目的として、平成16年度から日本言語聴覚士協会の正会員を対象に開始されたプログラムです。
「基礎プログラム」と「専門プログラム」で構成されており、それぞれの講座の履修や研究活動・職能活動によってポイントを取得すると、修了証を得ることができます。
なお、「基礎プログラム」と「専門プログラム」は同時進行で受講できます。

認定言語聴覚士
基礎プログラムでは講座受講とポイント取得・症例発表を経て手続きをする必要があります。
なお、基礎プログラムの講座は以下の6つになります。

  1. 臨床のマネージメントと職業倫理
  2. 臨床業務のあり方、進め方
  3. 職種連携論
  4. 言語聴覚療法の動向
  5. 協会の役割と機構
  6. 研究法

認定言語聴覚士
専門プログラムでは講座受講とポイント取得を経て手続きする必要があります。
なお専門プログラムでは、以下の講座から4つを選択して受講します。

  1. 関連項目
    (言語・認知発達・認知の加齢変化、音声言語聴覚医学、認知科学、心理学、言語学、音声学)
  2. サービス提供システム
  3. 成人言語・認知
  4. 言語発達障害
  5. 発生発語障害
  6. 聴覚障害
  7. 臨床実習
  8. 研究法

どちらのプログラムでも、ポイントは学会参加や論文発表によって貯めることが出来ます。

認定言語聴覚士講習会

講習会は講義・演習・訓練・症例検証・試験といった時間割で組まれており、6日間(2日間×3回)受けます。近年では毎回8月・10月・12月頃に開催されています。
複数の領域が同時に行われますが、年度ごとに領域が変わるため、確認が必要です。
ちなみに平成28年度では、摂食・嚥下障害領域と聴覚障害領域での講習会が開催されています。

症例検証では、受講者となる言語聴覚士が実際に担当した事例を発表します。該当領域の症例を提示出来ない場合は、最終日に実施される筆記試験を受けることが出来ません。
また講習会は単年度で実施されるので、受講単位を次年度に持ち越せません。なお試験は講習会を3回すべて受講した方のみ受けられます。

参考:平成24年度認定言語聴覚士講習会

取得の流れ

生涯学習プログラム(基礎・専門)を修了→認定言語聴覚士プログラム(講習会)を受講→試験に合格→認定言語聴覚士の資格を取得 です。
認定言語聴覚士_資格取得

資格の更新

認定言語聴覚士の資格は、5年ごとに更新する必要があります。
更新は自分で申請して行うものですので、うっかり忘れて認定取り消し……なんてことにならないようにしましょう。
以下のことを5年の間に行っているのが更新の条件です。

  1. 日本言語聴覚学会に2回以上参加する
  2. 認定言語聴覚士の資格を取得した領域に関して、全国規模の関連学会で「口頭発表(筆頭演者)」「論文発表(筆頭著者)」「教育講演」「特別講演など」から最低一つを行う
  3. 生涯学習プログラム専門講座の履修などを通して、さらに研鑽する

資格を持っていることのメリット

認定言語聴覚士
現状では、認定言語聴覚士の資格を持っていることで直接的に待遇が上がる、ということはありません。
しかし認定言語聴覚士を取得するまでの過程に、スキルアップのメリットがあると言えます。

また認定言語聴覚士の資格は、言語聴覚士の社会的な立場の確立と職域拡大に欠かせないもの。
「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会」でも多職種の会員を対象に摂食・嚥下に関する学会認定士の資格制度を設けていますが、学会認定士は認定言語聴覚士であれば、申請のみで取得することが出来るのです。
認定言語聴覚士の資格を取得しておくと、他職種との関わりも持てるようになります。
言語聴覚士としてキャリアアップを考えている人は、ぜひ取得しておくべきでしょう。

まとめ

アメリカでは、言語聴覚士が大学院レベルで養成されています。
聴覚分野では博士課程を修了する必要もあり、臨床・学術的に世界トップレベルの水準を誇っていると言えるでしょう。
それは近年の医療技術の進展によって高齢者が増加し、言語聴覚士の需要が高まっているためと推測出来ます。

日本でも将来的に、大学・大学院レベルでの養成が必要になってくるかもしれません。
その時、認定言語聴覚士の資格は「クオリティの高い言語聴覚士」のアピールポイントとして役に立つと思われます。
ぜひ、目指してみてはいかがでしょうか?

編集部より

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