「呼吸療法認定士」ってどんな資格?仕事内容・取得のメリット

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高齢社会へ移行しつつある現代日本において、「呼吸療法」は重症患者管理の柱として重要視されています。
今後はあらゆる臨床の場面で、呼吸療法を必要とする患者さんに出会うことでしょう。
そんな中、呼吸療法のプロフェッショナルともいうべき専門資格があることをご存知ですか?

今回は「呼吸療法認定士」について、その実態と取得のメリットをご説明いたします!

呼吸療法認定士とは?

呼吸療法認定士
呼吸療法認定士とは、呼吸療法に関する専門的な知識・技術を習得した医療関係者に与えられる資格です。
呼吸療法を行う医療チームのレベルアップを目的として、
日本胸部外科学会
日本呼吸器学会
日本麻酔科学会
が合同で資格の認定制度を設立しました。よって、「3学会合同呼吸療法士認定士」が正式名称となります。

どうして「呼吸療法」の専門資格が出来たのか?

呼吸療法認定士
呼吸療法は人工呼吸器などを用いた、肺機能の改善や回復を目的とした運動・治療のことを指します。
国民の高齢化が進むとともに、医療はめざましい進歩を遂げました。長生きする患者さんが増加したのです。
それによって、重症患者管理の必要性も高まりました。呼吸療法はその柱のひとつとして、近年ではその大切さを広く認識されるようになったのです。

しかし呼吸療法の技術を持った医療人材が少ないことが、医療施設での大きな悩みとなっていました。
そこで3学会が共同で、呼吸管理を行える医療人材のレベル向上と維持を資格として認定することになった、というわけです。

資格を持っていることのメリット

呼吸療法認定士
呼吸療法認定士は学会認定の資格であり、国家資格ではありません。
そのため、資格を取得することで何か医療行為が出来るようになる……ということはありません。

しかし臨床の場面で医師の指示の意味をきちんと理解出来たり、呼吸疾患の患者のバイタルが変化した場合にも冷静に対処出来たりと、スキルアップを望むことは可能です。
病院内での呼吸器管理に関する規定作りや、説得力のある後輩指導などにも、積極的に関わっていけるでしょう。

高齢社会になってきている今、呼吸療法はさまざまな場面で需要が高くなっていきます。
海外でも呼吸療法士は国家資格となっているため、将来的には日本でも資格の価値が上昇するかもしれませんね!

呼吸療法認定士の仕事内容

呼吸療法認定士
呼吸療法認定士の主な役割は、「呼吸療法の的確な実施とそれに使用する機器の管理」です。
呼吸療法の専門家として人工呼吸・酸素療法・吸入療法を実施したり、使用する医療機器の管理を行います。
各医療従事者の業務範囲を超えない部分での活動になりますが、より専門性の高い治療や、医師とのスムーズな連携が期待されています。

呼吸療法認定士の活躍出来る場所は主に病院となります。

  • リハビリテーション科
  • 一般病棟
  • ICU
  • 臨床工学部
  • 外科病棟
  • 呼吸器病棟
  • 救急救命センター

……など、働く場所はさまざまです。
現在の取得状況としては、看護師が約6割、理学療法士・作業療法士が3割。
しかしリハビリテーション科での仕事が多いことから、これからリハビリ職の取得率も高くなってくると推測されます。

呼吸療法認定士の給料

現状では、呼吸療法認定士の資格を持っていることで給料が大きく変わるということはありません。
特別手当がついたり昇進するケースもありますが、ごく少数派となっています。

呼吸療法認定士

(参考:3学会合同呼吸療法認定士の活動状況に関するアンケート調査

しかし呼吸器系の診療科を持つ病院やクリニックでは、呼吸療法認定士の資格を持っていることで採用時に優遇されるケースもあるとのこと。
これから増えていくであろうニーズに応えるべく、資格保持者を優遇する求人も少しずつ増えていきそうですね。

呼吸療法認定士になるには

呼吸療法認定士
呼吸療法認定士になるためには、学会に定められた講習会に参加して試験の受講資格を得て、試験に合格・申請する必要があります。
なお、学会に加入する必要はありません。会員でなくとも、呼吸療法認定士の資格を取得することが出来ます。

講習会の参加資格

認定講習会を受けられる資格は、以下の通りです。

  • 臨床工学技士:実務経験2年以上
  • 正看護師:実務経験2年以上
  • 准看護師:実務経験3年以上
  • 理学療法士:実務経験2年以上
  • 作業療法士:実務経験2年以上

上記の対象者で、かつ受講申し込み時から過去5年以内に、認定委員会指定の学会や講習会に出席して12.5点以上の点数を取得している必要があります。
受講を申し込む時には点数の証明とするため、学会や講習会の受講証・修了証の写しを添付しましょう。

講習会の内容

講習会で受ける講義内容は以下になります。

  • 1.血液ガスの解釈
  • 2.呼吸不全の病態と管理
  • 3.酸素療法
  • 4.人工呼吸器の基本構造と保守および医療ガス
  • 5.気道確保と人工呼吸
  • 6.呼吸リハビリテーション
  • 7.人工呼吸中のモニタ
  • 8.呼吸不全における全身管理
  • 9.開胸・開腹手術後の肺合併症
  • 10.新生児の呼吸管理
  • 11.NPPVとその管理法
  • 12.呼吸機能とその検査法

2日間講習を受けると、認定試験の受験資格を得られます。
また講習会を受けてから3年以内であれば、どの年度の認定試験でも受けることが出来ます。

認定試験

呼吸療法認定士の資格試験は年に一度の開催で、筆記試験(マークシート式)のみとなっています。
試験は講習会の講義内容と配布されるテキスト、普段の業務内容から出題されます。

この試験に合格して申請手続きを済ませることで、呼吸療法認定士として登録されます。

資格の更新

呼吸療法認定士の資格を保持し続けていくためには、5年ごとの更新が必要になります。
更新制度は資格取得後も学習を続ける、生涯教育の促進を図るために設定されました。
資格の更新には、「講習会への出席・講演」「委員会が認める学会への出席・発表・講演」「学術論文の発表」「委員会が主催する更新のための講習会への参加」「委員会が実施したアンケート調査への回答」などの活動によって、50点以上のポイントを取得する必要があります。

呼吸療法認定士の給料

呼吸療法認定士の試験の合格率は、毎年おおよそ6割ほどとされています。
試験は講習会のテキストを参考に出題されますが、引っ掛け問題や状況把握問題といった複雑なものも含まれます。
丸暗記だけでは合格することが難しいので、「なぜ?」というポイントを理解しながら勉強しましょう。
テキストは毎年更新されていますが、大きな変更はありません。

【テキストの項目】
呼吸療法総論 呼吸管理に必要な解剖 呼吸管理に必要な生理 血液ガスの解釈
呼吸機能とその検査法 呼吸不全の病態と管理 薬物療法 呼吸療法
吸入療法 酸素療法 人工呼吸療法の基本構造と保守・医療ガス 気道確保と気道管理
人工呼吸とその適応・離脱 NPPVとその管理法 開胸・開腹手術後の肺合併症 新生児・乳幼児の呼吸管理
人工呼吸中のモニタ 呼吸不全における全身管理 人工呼吸中の集中管理 在宅人工呼吸

過去問を解く・テキストを熟読して合格を目指しましょう。

編集部より

呼吸療法認定士の資格を持つことは、スキルアップはもちろん転職・給与アップにも役立ちます。
今後ますます需要の高まる「呼吸療法認定士」の資格、ぜひぜひ取得してみてはいかがでしょうか?

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