「義肢装具士」とは?仕事内容・給料・必須スキルを大公開

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事故や病気によって手足を失ってしまった、身体機能に障害がある……。
そんな患者さんに対して義肢や装具を製作するのが、「義肢装具士」という職種です。
厚生労働省大臣から免許を受け、医師の指示の下で仕事をしています。

今回はこの「義肢装具士」について、詳しくご紹介してまいります。

義肢装具士とは?

義肢装具士
義肢装具士とは、事故や病気により手足を失った患者さんに義肢を製作したり、身体機能の障害を持つ患者さんに装具を製作する職種を指します。
別名PO(Prosthetist and Orthotist)とも呼ばれる、リハビリテーション医療の専門職です。
現在、全国で3584名の義肢装具士が活躍しています。

・義肢は四肢切断した患者さんに用いる人口の手足で、「義手」「義足」に大別されます。
・装具はギプスやコルセットなど、身体機能に問題が生じた患者さんに使用される道具のことです。
骨折した際に用いる添え木も装具の一種。

義肢装具士は義肢装具の製作会社に所属することが多く、病院やリハビリテーションから依頼を受けて活動します。
医師の指示のもと看護士や理学療法士・作業療法士と連携しながら、採寸・採型~設計、製作、身体への適合(アフターケア)までを行います。
患者さんの身体に触れて型をとることや、義肢装具を調整することは、国家資格を持った義肢装具士だけに認められている行為です。

近年では海外被災地でのNGO活動や、パラリンピックなど障害者スポーツ・レクリエーションが活発になっていることから、義肢装具の需要はさらに高まっています。

義肢装具士の仕事内容

義肢装具士の仕事はただ義肢装具を製作することだけではありません。
製作した義肢装具を患者さんの身体に適合させること、その際の患者さんの心のケアまで含めて業務とされています。
採寸からリハビリのサポートまで、長い工程で患者さんと付き合っていくことになります。

工程は採寸・採型→組立→仮合わせ→仕上げ→最終適合の形で進められます。

採寸・採型

医師から患者さんの病態や特徴などを聞き、処方にしたがって装着部位の情報を収集。型をとります。
実際に義肢装具を使用する患者さんの希望も、この時に聞いておきましょう。

製作

患者さんの状態や希望を的確に捉え、必要としている義肢・装具の製作を行います。
一度完成したら患者さんに装着してもらって、適合を確かめます(=仮合わせ)。
人間の身体はそれぞれ体型が異なるため、細かな違いを読みとりながら、患者さんの身体にぴったりあうものを製作します。

採寸・採型で患者さんの身体から正確な情報を得たら、身体や目的にあっているかを十分に確認し、違和感がなくなるまで調整を繰り返すのです。
義肢装具の完成後も、医師やリハビリを担当する理学療法士などと協力して、患者さんの日常生活への復帰を援助します。

義肢装具士に必要なもの

義肢装具士に必要なもの
医療職であると同時に技術職の面も併せ持つ義肢装具士には、働く上で求められる知識や能力が多くあります。

基本的な医療知識

義肢装具を作ることが義肢装具士の大きな役割になりますが、それを達成するためには基本的な医学知識も持っておかなければいけません。
体の構造に関する知識と、装具に関する知識を融合していくことが必要です。

手先の器用さ

義肢装具士は、医療職でありながら、工業的な面を持つ技術職でもあります。
身体に装着する器具を作成するため、細かい作業が必要となります。
職人的な技が求められるため、手先が器用な人が望ましいでしょう。

親身になること

義肢装具士の仕事では、単に義肢や装具を作成するだけでなく、患者さんとのコミュニケーションも非常に大切です。
調整を繰り返すこともあれば、身体の成長などによって修正を続けていくこともあります。
患者さんの気持ちを汲み取り、親身になって考えることで、患者さんにとって最適な義肢や装具を作成することが出来るはずです。

義肢装具士の給料

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職場によってまちまちですが、設定されている基本給は平均20万円前後とされています。
ボーナスは年間1.5~2ヶ月ほどですが、出ない会社も珍しくありません。

義肢装具士は技術職の一面も持っていることから待遇がよいと思われがちですが、実際はそれほどいいというわけではないのです。
同じ現場で活躍する理学療法士や作業療法士よりも、低賃金で働くことになるケースもあります。
また義肢装具製作会社は小規模の企業であることが多いため、必ずしも正社員としての採用とは限りません。
義肢装具士に限ったことではありませんが、入職前に雇用形態や給与、福利厚生などの待遇はしっかりと確認しておくべきですね。

アルバイトや契約社員として働くことになっても、その間に得られる知識や経験は無駄になりません。
技術を磨くことに専念して、正社員登用や転職を目指しましょう。

義肢装具士になるには

義肢装具士として働くためには、義肢装具士国家試験に合格することが必須です。
受験資格を得るためのルートは、大きく分けて3つあります。

義肢装具士

1.高校卒業後、義肢装具士養成所において3年以上義肢装具士として必要な知識・技能を学ぶ
2.大学または短大で1年以上(高専は4年以上)指定科目を履修した後、義肢装具士養成施設で2年以上義肢装具士としての知識や技術を学ぶ
3.職業能力開発促進法に基づく義肢・装具製作の技能検定に合格し、3年以上義肢装具士として必要な知識および技能を学ぶ

しかし義肢装具士の受験資格を取得できる学校は、理学療法士などよりも少ないのが現状です。

受験資格を得られる大学

義肢装具士国家試験の受験資格を得られる大学は以下の4校です。
・北海道工業大学 医療工学部(医療福祉工学科)の義肢装具学専攻
・新潟医療福祉大学 医療技術学部(義肢装具自立支援学科)
・人間総合科学大学 保健医療学部(リハビリテーション学科 義肢装具学専攻)
・広島国際大学総合リハビリテーション学部(リハビリテーション支援学科 義肢装具学専攻)

受験資格を得られる専門学校

義肢装具士国家試験の受験資格を得られる専門学校は以下の7校です。
・国立障害者リハビリテーションセンター学院 義肢装具学科
・早稲田医療技術専門学校 義肢装具学科
・西武学園医学技術専門学校 義肢装具学科
・神戸医療福祉専門学校三田校 義肢装具士科(4年制・3年制)
・専門学校日本聴能言語福祉学院
・熊本総合医療リハビリテーション学院
・北海道ハイテクノロジー専門学校

まとめ

義肢装具士は専門職ですが、理学療法士とのダブルライセンスは可能です。
両方の資格を持っていることで、より多角的な視点で患者さんに向き合うことが可能になります。

義肢装具士が採寸する前には、理学療法士から知見を伝えてもらう必要があります。
たとえば初期背屈角度などは、義肢装具士が義肢や装具を作る上でもっとも知りたい情報のひとつ。
理学療法士・作業療法士との意見交換や情報共有は、業務上欠かせないものとなっていきます。
こうした時にダブルライセンスがあれば、理学療法士としての知見と義肢装具士としての技術を持ち合わせることができるのです。

これからさらにニーズが高まる義肢装具士。
新しい働き方を考える上でも、持っていて損はない資格なのではないでしょうか?

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