治療者の手は、音楽家の手

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鍼灸師。ドイツ人。22才頃ドイツを後にして、弓道を勉強するため来日。日本で好きな東洋的思想に基づく職業を得る為で、鍼灸を含めて東洋医学を勉強しはじめ、3年後鍼灸師の国家試験に合格。更に、研究を深めるため、日産玉川病院において、代田先文彦生のもとで4年間東洋医学の臨床研究に励む。1995年神奈川県葉山町の元町で一人の職人として開業。

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出典:By Mk2010 (Own work) [CC BY-SA 3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons
(元の写真に赤い矢印を加えました)

暫く黙っていましたが、再び妙な意見を綴られてきました。

タイトルを見て、治療者と音楽家があまり接点がないと思われるかもしれません。
しかし、治療者は音楽家から色々と学べると思います。

時々若い方が見学のため来院する際つくづくそう思います。その若い方はまだ臨床経験がないから、特別文句は言えませんし、言うべきでもないでしょうが、多くの方は似ているような手付きで患者を触れます。

要するに、患者の体の表面に対して略直角に向かって、最終的治療者の手の動きと患者の皮膚は90度の角度をなします。特に今のような涼しい・寒い季節では患者がびっくりすることがあります。

患者に触れる際はギタリストのタッチのように

私は若いころクラシックギターを練習してました。クラッシクギターの事を少々存じる方ならギタリストの左手の爪は短く切り、右手の爪は掌から見たら指先の肉より1mmほど出ている事が分かります。爪で弦を弾くからです。もし爪に傷が付きますと、最悪の場合演奏が出来なくなるから、爪を大事にするのギタリストにとって宿命です。

そのためにギタリストは何かを取ろうとする際、右手を真っ直ぐに出しません。真っ直ぐ(物に対して90度の角度)に不意にぶつかると爪が折れる=演奏に支障が来たされる恐れがあるから、右手を飛行機が着陸する緩やかで優しいカーブを描きながら物に接近させます。

治療者も患者に「いきなり」に触るよりも、体を接触する寸前に手で例の優しいカーブを描くと、患者に喜ばれるでしょう。

伸びた爪、派手な時計。腕を見れば治療家の腕前が分かる

逆の立場をとり=患者として治療者の「品質確認」したければ、治療者の手が暖かい、柔らかい(ながらでも強い)、爪が患者に接触出来ないように切られ、そして手に金属(指輪、時計など)がないことを見ると良いでしょう。何時か経穴の事でインタネットで資料を探した際、Wikipediaにどなたが合谷に指圧を加える写真を見つけました。

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出典:By Mk2010 (Own work) [CC BY-SA 3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons
(元の写真に赤い矢印を加えました)

しかし、治療者の爪が指先よりかなり伸びて、患者の手にしっかりと痕をつけている(中指の所)事が見えます。私の感覚ではそれが許されるものではありません。時々学会で所謂有名な先生が実技を披露している際、自分がいかにも裕福である事を証明したいようで大きな、ゴツゴツな時計をしながら患者(この場合「モデル」)の顔のそばで施術を行うのも信じ難い事です。

治療家のブラインドタッチ

又、まじめなピアニストは長年の間膨大な時間を費して、指をどのように腱板を接触させる事=(piano)touchを信じられない程訓練します。触ればいいというものではありません。タッチ次第で音楽家の質が決まるほどです。

ピアニストは左右の手で爪を短くします。そうしないと左記の「タッチ」も損なうし、爪は鍵盤に当ってカタカタ音を立ててしまいます。そして通常の練習の時にもですが、実際の演奏中に最低時計、いい人なら指輪も外します。余計な音が発生したり、ピアノに傷が付く恐れがあるからです。

余談ですが、殆どの音楽家は(目で)自分の手、また自分の手と楽器の位置関係を確認する必要がありません。音楽家が目を閉じて演奏する事きっと見たことあるでしょう。それは良くblindtouchと言います。目が見えません/見ません事は何かの「障害」ではありません。どちらかと言えば手の感覚を高めています。治療者も多いに参考していただきたいです。

更に良く耳にする言葉は看護師のhealingtouchの事です。その詳細について私は論ずるべきではないでしょうが、何時かそれに付いて外科の先生に直接聞いて見た所で「そんな馬鹿な」と言われました。

しかし、世界中の看護師がその事実と知っているし、数多くの患者が良い看護師に恵まれたら体験した事あります。「治療者」なら尚更訓練に励んでそのようなhealingtouchを身に着けていただきたいです。

添付の写真(合谷に「指圧」を施す)を見ると、理想的な治療者の目標から遠く離れている者だとしか思えません。

爪の事、患者の手に痕がなったりの他、中指が”一所懸命”押しているが、人差し指と小指が屈曲し、皮膚から離れてしまっています。もしこれは音楽家でしたら、「音楽家ディスとニア」と診断しなければならないかもしれません。

治療者気質を自らの手で訓練/改善(“touchup”)をし、最終的真の治療者の「****手****技」を底力としてしっかりした土台の上に仁王立ち(“touchdown”)をするのは希望的観測でありながら夢です。

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