私は・・誇り高き鍼灸師でいたい

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鍼灸師。ドイツ人。22才頃ドイツを後にして、弓道を勉強するため来日。日本で好きな東洋的思想に基づく職業を得る為で、鍼灸を含めて東洋医学を勉強しはじめ、3年後鍼灸師の国家試験に合格。更に、研究を深めるため、日産玉川病院において、代田先文彦生のもとで4年間東洋医学の臨床研究に励む。1995年神奈川県葉山町の元町で一人の職人として開業。

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話題はC・W.ニコルの著書「誇り高き日本人でいたい」*に因んでいます。

ニコルさんをご存知の方もいると思います。イギリス、いやそれを言うと怒られる:ヴェールス出身の方で今は帰化しました。有名な DonaldKeeneと似たように日本の事を愛し、この国に潜められている価値に魅了されました。

私は有名でも偉くも何もない、ただの「変な外人」ですが、日本にいいものがいっぱいあると信じています。

しかし、近頃不吉な便りばかり目に/耳に入り、それに対する私個人の不満を少々表現させて頂きたいと思います。

今回の不満表現のきっかけのひとつ

Einmal

これは頼みもしないのに相手から勝手に私の治療院宛てに送って来る接骨院向け「情報誌」に付属された広告を一部をスキャンしたものです。

文章を読んで見ると「劇的な変化を起こす施術」・・と言う能力があると前提されているようです。しかし、患者を一回で治す力があるにもかかわらず、その力を発揮せず、「何度に分けて来院させる」事が治療者に勧められます。
患者を治せるなのに通わせる。

私の感覚ではそれが道徳に反する行為です。

では、治療者本人が例えば午後治療しながらぎっくり腰になり、翌日に仕事出来るため一回の治療で状態を治めて欲しいのは自然ではないでしょうか。該当の治療者は他の治療者を依頼して「何度に分けて治して貰いたい」と希望するのは極めて想像し難いと思います。そうであれば、どうして患者にそれを薦めるのでしょうか。

この「何度に分けて来院させる」事は国全体進めている医療=医療産業にする事でしか説明出来ません。つまり、収入を増やす小細工です。

私は個人的このような今の医療現場を、再び言葉を借りて申し訳ないが、「習うより慣れろう」と言う言葉に因んで「治そうより通わせろう」で表現出来ると思います。治療者の失格である事と信じています。

治療者とは、社会にとってどのような存在なのか

ですが、その裏にある概念 - お金(儲け)のためなら何でもやる - は上記の不吉な便りでどこにでも見られます:

•11/6から大々的報道されている:柔道整復師等は暴力団と手を組み、不正した
•日本歯科会と政治献金の問題
•野球の賭博
•相撲の八百長
•マンション建設の不正
•東芝の脱税
•海外で最近VWの不正は衝撃的でしたでしょう
•・・・ などなど無数掲示出来るでしょうが、周りを見て各自で状況を判断して下さい。

治療者とはどのような存在かに関して各自それぞれの概念/理念はあると信じたいです。

私は・・・あくまでも私個人的な意見に過ぎません・・・治療者は「先生」であるべきと思います。

日本では「先生」と言う言葉が日頃余りにも頻繁に使われ、概念としてよく「先に生まれた」としか認識しないような印象あります。

私は「先生」が「先に生きる」者だと信じたい。身も心も汚す「金儲け」の誘惑に左右されず、身を持って患者を可能な限り健全な状態(*WHOの健康定義を一度参考にして頂きたい)へ導く道案内する者であるべき。患者を完全に治癒させることが出来ないなら、少なくとも全身全霊で病んでいる者を癒すのは使命でしょう。Hippocrates は既に2300年前に 「_Cure sometimes, treat often, comfort always._」をいいました。

しかも、東洋医学と言う知恵の宝庫は個人の所有物ではなく、国民(=人類)の共同財産として、本来指導者=先生によって国民に無料で提供すべきと思います。その理想は現実的少々無理ある事私でさえ辛うじて理解しているつもりです。

治療家と不正請求

私の話は常に生意気な理想論ばかりですが、最近流行りの大河ドラマで良く使われるキーワードである「志」の事を考えて、今の時代の流れに賛同出来ません。

こちらの駄文中で常に本誌の名称に使われる言葉「治療家・・・」意図的避けて「治療者」を使います。たいしたことないかもしれませんが、前者は国語大辞典にないし、私は理解している限りその間の意味が微妙に異なるように見受けます(一分だけ辞書を引用します):


_{名}専門の学問・技術の流派。また、その流派に属する者。「諸子百家」「文学家」

_{名}もの。こと。…するその人。…であるそのもの。…であるその人。…すること。「使者(使いする人)」「冠者五六人」〔論語〕
_▽「説文解字」では「者、別事詞也=者トハ、事ヲ別ツ詞ナリ」という。「仁者人也=仁トハ人ナリ」〔中庸〕

【家】は何となく学者や商人のような意味合いが漂っています。
【者】は…するその人。治療者の英語は”healer”(他の言葉もある)になります。

鍼灸師の志として私は「治療者」を目指したい。

そして - 又も理想論 - 夢は「上医」です・・・
上医は国を医す。
すぐれた医者は国の疾病である戦乱や弊風を治め除くもので、個人の病気をなおすのはその次であるということ。

[国語晋語八]
(医(者)=治療者は「下・中・上医」がいる考えに基く)

私は極めて未熟であるため、予想ではこれから

* 初歩的な「専門の学問・技術」が得るまで200年の修業、
* 上医の「仁者人也」に近づけるまで500年の修業が必要と思われます。

しかし、志は定めてたから、目標には迷いがありません。

* 書籍:「誇り高き日本人でいたい」、単行本–2004/11、C・W.ニコル(著)