成功する治療家の「フューチャーペイシング」とは

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理学療法士。メンタル心理カウンセラー。上級心理カウンセラー。理学療法士国家資格取得後。身体面のみでなく精神・心理面も診れるセラピストを目指し心理カウンセラーの資格を取得。現在、都内のクリニックに勤務しながらトレーナーチームEsperanzaの代表を務め、某スポーツ企業との勉強会や舞台俳優、ダンサーなどのパーソナルトレーナーとしても活躍している。

石渡雄次

こんにちは。トレーナーチームEsperanza代表、理学療法士の石渡です。

今回は治療家としてのテクニックのお話をしていきたいと思っています。ただし、テクニックといいましても徒手的な技術や手技とは異なります。

フューチャーペイシングとは

「フューチャーペイシング」という言葉は聞いたことはあるでしょうか?

簡単に言うと、将来の具体的なイメージを引き出す方法で、「AをするとBが出来るようになります。Bが出来るようになるとやがてC、Dは容易になります。したがって、あなたはこれをすべきです」というように、対象者に対して具体的な想像が出来るように導いていく方法です。これを身につけることは治療家として必須であると考えています。

率直に言うと、治療家がどのような技術を使って治すかなど、選手や患者様はほとんど興味がありません。何が一番かというと「痛みがなくなって競技に復帰する」「大好きな旅行に再び行くことができるようになる」これを実現出来ることを一番に望んでいます。

そこで、治療家として何が大切かというと「治療のその先を見せること」。それが選手や患者様との間に信頼感をもたらし、治療に対するモチベーションを上げる作業に繋がると考えています。

フューチャーペイシングを無意識に出来ている治療家は、圧倒的に治せる力を持っています。圧倒的に治せる治療家は、対象者を治すための道筋を示して導くことが出来るからです。

患者の不安をどう解消するか

治療家の皆さんの大半は、いきなり「私、治りますかね?」と聞かれた経験があるのではないでしょうか?

まだ初対面で身体の状態やどんな人柄、生活背景をしているのかつかめていない状況では、あなたはどのように返答をしているでしょうか?

全く何も把握していないのに「絶対治りますよ!」と答えるのは少し違うと思いますし、「まだ初対面なんだからわからないです」と言うのも関係性を崩してしまうことになるかもしれませんね。

無難な返答では「もう少しお話を伺って、身体の状態を診させていただいてからお答えしてもよろしいでしょうか?」という答えでしょうか。

治療家と患者の「治る」の認識

先程の「私、治りますかね?」という質問に対しては、まず聞かなければならないことがあります。

それは「あなたにとって“治る”ということはどのような状態でしょうか?」。

というのも、「治る」という言葉は非常に抽象的な表現だからです。

例えば、歩く時の痛みが消えれば治ったことになるのか。正座が出来るようになることが治ったということなのか。まだ足は引きずっているが骨は完全にくっついていてギプス固定がとれたから治ったということに相当するのか。など、人によっては治ったと思うし、別の人にとっては治っていないと思うことが多く存在しています。

お互いにとって「治る」の意味を共有していなくては治せることはないのです。

治療家も選手や患者様も当たり前のように「治る」という言葉を使っていますが、その意味を互いに共有しようともせずに「治りますよ!」や「とにかく治して!」というのは無責任であり自己中心的な行為に当たるのかもしれません。

お互いにとって「治ること」を認識した上で、それを可能にするためにはまずは何をすればいいのか、という良好な将来へのイメージを共有することが「圧倒的に治すため」には必要不可欠なのではないでしょうか?

治せる治療家は、技術の研磨を忘れない

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上記でお話した内容は、あくまでも治療を進めていくための準備や過程での話になります。

良好な関係性を築けたところで治療家として本来の技術の研鑽を怠るようなことがあってはいけません。山のガイドが山の知識や経験なしに、誰かに対して山の案内をすることがあってはなりません。

医療もサービス業です。今はまだその時ではないかもしれませんが、いずれは患者さんの方がセラピストを選ぶような時代が来るかもしれませんからね。その時に備えてセラピストは日々の努力を怠ってはいけないのです。

やはり、治療家としては「好奇心旺盛で探究心溢れ、時には挫折し、それでも創造・革新していく楽しさを追求すること。そして、その力を必要として求めてくれる方に感謝すること」は忘れてはいけないと思います。

そうして日々、研鑽を重ねていれば「自身の治療家としてのその先~」も具体的なイメージとして見えてくるのではないでしょうか。

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