フィクションじゃない!?唇から会話を読み取る「読唇術」

The following two tabs change content below.
言語聴覚士。大学卒業後、耳鼻咽喉科に勤務し、難聴、吃音、構音障害等の聴覚・言語・コミュニケーションに困難を抱えている方のサポートを行っている。また、患者団体や家族会と連携しイベントや講演等もこなす。2013年から言語聴覚療法の情報をまとめた言語聴覚士リハビリ情報サイト:STナビを運営し、言語聴覚士の認知度向上とともに、患者様やご家族の方への適切な医療情報の発信に努めている。

宮崎関大

唇の動きから相手の話を読み取る「読唇術」ですが、映画やドラマのなかでだけ存在するフィクションと思われる方は多いと思います。

しかし、読唇術は現実に存在する技術であり、読唇術を用いて会話を行う方は確かに存在します。では、読唇術をどうすれば習得できるのでしょうか。

スパイ?探偵?読唇術のイメージ

映画やドラマのなかでは、スパイや探偵等が読唇術を使って秘密裏に相手の会話を読み取るようなシーンがあります。このようなシーンを見て、読唇術に興味を持った人も少なくないと思います。しかし、読唇術はあくまでも映画やドラマの世界の話であって、実際にはそんな技術なんてないんでしょ!と、思っていませんか?

実は、現実の世界でも読唇術はちゃんと存在します。しかも、読唇術を使いこなして会話をしている方もいるのです。

耳の聞こえない方が会話の際に使う技術

現在の読唇術とは、耳の聞こえない方が聴覚情報の代わりに視覚情報を頼りに唇の動きで会話を行う技術として捉えられています。名前も読唇術ではなく、「口話(こうわ)」又は「読話(どくわ)」と言います。

近年は手話がドラマ等で使用されたことにより一般的に普及していますが、以前は手話に対する認識は低く、耳の聞こえない方達は一般社会に進出するために読唇術を勉強しました。そのため、読唇術は耳の聞こえない方の間で発展してきました。

読唇術の難易度

唇を読み取るだけで相手の話の内容が分かる読唇術ですが、相手の話を100%理解できるわけではありません。日本語には唇の動きは同じですが、別の発音をする「同口形異音語」が多数存在します。

例えば、「マ、パ、バ」「サ、ザ、タ、ダ、ナ」等。音の組み合せによっては、「タバコ、タマゴ、ナマコ」のように同じ唇の動きで全く違う言葉の組み合わせも生じてきます。この読み間違いの問題が、読唇術が世間一般に拡がらずにフィクションとして捉えられている一旦と言えます。

正答率を挙げる要素

同口形異音語の存在により、読唇術の正答率は30%前後と言われています。この数字を高いと見るか低いと見るか、それは個人の感想ですが、研究者の方達はさらに正答率を挙げる要素はないか検証しました。その結果、様々な条件が揃うことにより正答率を30%以上まで引き上げることが可能だと至りました。

「ちょっと、○○○で一服してきます」
「今日の朝食は○○○焼きよ」
「波打ち際で○○○を見つけた!」

先ほどの「タバコ、タマゴ、ナマコ」の同口形異音語を使用した例文です。どの言葉がどの文章に入るか分かりますか?1番はタバコ、2番はタマゴ、3番はナマコですね。これは前後の文脈からキーワードを推測して当てはめています。

このように、読唇術を使うに当たっては、唇の動きを読むことはもちろん、会話の流れからある程度推測して文章を補完する能力も必要になります。

読唇術を習うには?

最後に読唇術を習うにはどうしたらよいのかを説明します。日本には、昔「忍者」がいて読唇術を駆使して情報を集めていたと言われていますが・・・現在の忍者道場では読唇術の指南はないようです。すでに書きました通り、いまでは読唇術は聞こえない方の会話技術になっています。習得を目指すならば、難聴者の勉強会等に参加することがよいでしょう。地域によっては、読話教室という形で読話を集中的に教える教室もあります。

教室によっては、ボランティアさんも積極的に受け入れてくれます。是非とも読唇術を覚えて、会話に花をさかせてみましょう。

編集部より

リハビリのお仕事】はPT・OT・ST専門の無料転職支援サービスです。
「今の職場で成長を実感できない」「昇給が見えなくて将来が不安」「休日がもっと欲しい」……
そんなお悩みをもつPT・OT・STさんの転職は、リハビリのお仕事にお任せください。

まずはキャリアのご相談からでも大歓迎です。
リハビリ業界に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの希望にあった求人をご紹介いたします。

↓まずはこちらのフォームからご登録ください↓


この記事が気に入ったら
いいね!

最新記事をお届けします。

LINEで購読