【特集】あなたの「人を助けたい」の想いは本当ですか?音楽療法士・佐藤由美子さんインタビュー 3/3

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『パーソナル・ソング』という映画をご存じでしょうか?

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画像引用元:『パーソナル・ソング』公式サイト

ソーシャルワーカーのダン・コーエン氏が、iPodを使って認知症患者に思い入れのある曲を聴かせ、失われた記憶を呼び戻すという実験を3年に渡って追ったドキュメンタリーです。

映画について、ダン・コーエン氏自身は、この活動を音楽療法と言ったことはないと否定していますが、国内では「これが音楽療法だ」として受け止められてしまっている現状があります。

また、このような理解度である現状のため、国内の医療福祉施設で行われている音楽療法のなかには、音楽療法の一面しかとらえていないものが多くあるそうです。

基本的に、「療法」と呼ばれるものは弱い立場の人に提供するもの。そのため、療法として音楽を活用するならば、きちんとしたクオリティの音楽療法を提供すべきかと思います。

今回は、そんな音楽療法の普及・導入の方法について、お話を伺いました。

satoyumikosama

ラスト・ソング (一般書)

音楽療法の本当の意味を理解している人を雇おう

—— 音楽療法を導入したいと検討している老人施設などの医療・福祉施設のスタッフさんは多いと思います。どのようにして音楽療法の導入を進めたらよいのでしょうか?

佐藤由美子(以下、佐藤):音楽療法を導入するためには、まずトレーニングを受けた音楽療法士を雇うことが第一歩です。

音楽療法というと、一緒に楽しく歌うとか、ハープなどの演奏を聴くことで癒されるというイメージを持たれる方が多いと思います。しかしそれは、音楽療法の中では表面的に見えているごく一部のことです。

内面的な意味は、「レクリエーションとして歌うことやパフォーマンスとしての演奏を聴くこと」とは全く違います。
ですから、「音楽療法」を導入するためには能力のある音楽療法士が必要なのです。

生半可な気持ちでは、音楽療法士にはなれない

—— 現在、ソーシャルメディア上で、音楽療法士になりたいという声を多く見ます。音楽療法士を目指している方へメッセージをいただけますでしょうか。

佐藤:音楽療法という仕事は、音楽療法士になるのも、音楽療法を用いることも簡単なことではありません。それだけ大変な仕事です。

ですので、「音楽療法士になりたいんだ」という気持ち、それだけの決意が必要です。
「人を助けたい!」という想いは、「自分を助けたい!」という想いの現れだったりもします。現にアメリカの学校でも、音楽療法の学校に通っていたものの、道半ばで辞めてしまう人もいました。

また、基本的には弱い立場にある人たちと接する仕事という性質上、内省が求められます。自分を見つめることから避けられないのです。

音楽療法を必要としている人に届けられるようにするには

これまで3回にわたってお届けしたインタビュー、いかがでしたでしょうか。

第1回では、

❝音楽療法でどのような音楽を使うかは、あくまでもそのクライアントのニーズによって異なるからです。

一番大切なことは、ひとりひとりのクライアントにどの音楽や音楽活動を用いるか、アセスメント(事前評価)を通じて知ることです。❞

第2回では、

❝音楽療法は必ずしも「楽しいもの」ではありません。ときには、音楽を聴いて昔のつらい経験を思い出てしまう患者さんもいます。

音楽療法士はこのような場合どう対応するべきか知らなくてはいけません。対処の仕方によっては、音楽療法をしたことがクライアントにとって逆効果になってしまうからです。

ですから音楽療法を行うには、トレーニングが必要なのです。❞

などのお話をいただきました。

ちなみに、インタビューの終盤で、佐藤さんに好きな曲を伺ったところ、著書『ラスト・ソング 人生の最期に聴く音楽』(ポプラ社)にも出てくる『What A Wonderful World』を挙げられていました。今までたくさんの患者さんに唄われてきたそうです。ぜひ聴いてみてください。

音楽療法は、まだまだ世間一般の「正しい」認知は低いですが、クスリを使わない療法として、さらに利用者だけではなくまわりのご家族のもケアする療法として、重宝されていくことは間違いありません。

現状では、音楽療法士の資格を取得したからといって仕事があるわけではありませんが、患者さんからニーズがあるのも事実です。

これからは業界で足並みをそろえ、「音楽療法を必要としている患者のために」という同じゴールをめざし、普及に向けて歩みださなければいけないのだと思います。しかし、それが大変難しいのも事実。

すべては患者さんのため、音楽療法の普及に向けて、どのようにすればいいか。ぜひ、みなさまのご意見をお聞かせください。

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編集部より

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